秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

気持ちを持ち寄る

社会貢献事業といわれるものを仕事の一部にしてきたせいもあって、限られた予算や時間の中で物事を進めるためには、互いの気持ちをもちよる、互いにできることをもちよる、足りないところは、こちらの願いや思いに共鳴していただく方の力を仰ぐ…ということの大切さを痛感している。

そのためには、通常の仕事以上にコミュニケーションを必要とする。それも回数ではなく、その質が重要だと感じている。

今月は、MOVEが発足して以来といういわれるほど、ネットワーク事業にかかわる主要メンバーや協働団体との会合を重ねている。時間や仕事の都合で一堂に会するということはできないが、逆に、一堂に会しないことで聴ける考えもあれば、意見もある。
 
サイゼリアの創業者である正垣社長から、会議は基本7人以内、裁可のいる決定事項の議案は担当者と一対一でやるという話を聞かせてもらった。決して、号令一下のためでも、上意下達をスムーズにやるためでもない。「そうでないといい意見が出ないからだよ」と正垣さんはおっしゃった。

舞台や映画の世界では、オールキャスト・オールスタッフという会合をクランクイン前に必ず持つ。互いの顔合わせのためだが、実は、演出や監督にもよるだろうが、現場の仕事の負担を軽くする…という配慮のある人なら、その前に、キーとなるスタッフとの濃密な会議をやる。多くてもせいぜい10名程度だ。

やろうとしている作品の骨と魂を共有するためでもあるし、現場をどう動かそうとしているか指揮官の考えをそこで再検討するためだ。再検討するのは、演出や監督自身でもあり、かつ、スタッフでもある。
 
うちの秀嶋組では、照明だろうと、ヘアメイクだろうと、台本とかかわらないスタッフでも台詞について意見がいえるし、カット割りについて注文をつけることができる。ひとつの方針に対して、こういうやり方もあるのではないか…という意見を自由に述べる時間をつくっている。

だから、うちは撮影が速い。現場でもめたり、調整することは、ほとんどない。それは結果的に役者の負担を軽くする。
これをすべて一堂に会してとなるとできない。

その分、オレの時間もたいぶとられてしまうことになるが、それは実に意味と価値のある会合になる。また、しなくてはいけない。

今日は、午前11時から事務局長をやってもらっているSさんの法律事務所で4人の少人数の会合。夜は、9名ほどの会合。22日は4名ほど…。その後、個別に一対一の会合も持つようにしている。

それはすべて、互いのできるところ、気持ちをもちよるためだ。