秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

上海と千里眼

自主作品の初回制作の抱き合わせで制作する台本が欲をかいて、煮詰まってしまった。雪も降ったし、今日は外出はもうできないと、部屋にこもり、一日で片をつけるつもりがどうしても設定に無理がある。
 
問題は長さだ。社会問題を扱う作品なら多少の長さはいいのだが、教育作品はショートムービの最長20分が限界。その中で、説得力のある作品をつくるとなるとそれなりの腕力がいる。
 
全体の尺がある方が実は組み立てはしやすいのだ。小説でもそうだが、長編は長編なりの大変さはあるが、短編でいいものをかけない人は長編も実はおもしろくない。

予算の関係と販売戦略上、縛られていた考えを捨てて取り組むしかないか…などとPCの前で悶々としていたら、上海にいるかみさんから、これまた悶々と
する写真が送られてくるw
 
年明けとクリスマス、それに互いの誕生日と七夕は、これと約束したわけでもないのに、どちらからともなく連絡するという習慣が彼女が上海に帰ってからずっと続いている。以前は電話をしないと、怒られた。別れて、いまは別々の人生を歩いているのに、どうして?…と思うが、なんか悪い気になるので、つい、ごめんといってしまう。

今年は年明けに彼女の方から連絡をくれた。いつもの新年のあいさつかと思ったら、最近購入した日本製ガスストーブの安全性についてw 
 
オレもよく知っている彼女の仲間、ほとんどが日本での留学経験か、不法入国、偽装結婚のある連中ばかりだがw、そのひとりが、ガスストーブは酸欠で事故が起きやすいから使わない方がいいといわれたらしい。そこで、その危険度と安全性、使い方について、聞きたかったという…おいおい。

話すうちに、いつも通り、歳とっただろう…から始まり、まだ若いっていわれるよ、オレだって…とやって、じゃ、最近の旅行写真送るからとなる。一週間ほど前のことだったので、すっかり忘れていた。

そろそろいいだろうと…彼女は上海、オレは東京と道を分けた頃、その大きな理由のひとつに、彼女の父親の病気と彼女自身の病気があった。
 
父親はそのあと、すぐに亡くなった。それもあって、自分の病気が死に至るのではないかと一層不安がました。その裏返しで、明るく人生を楽しもうとしていた。そういう女性なのだ。心の奥にあるものをすぐに表には出さない。女心に超鈍感なオレは、いつも彼女にバカ!と怒られてばかりいた。

それがなんでもアメリカの健康食品を使うようになったら、嘘のように元気になったという。病は気から、信心もいわしの頭から…といいそうになったが、それをやると喧嘩になるので、ふむふむと話を聞く。
 
どうあれ、いままで健康に自信の持てなかった彼女が無理にではなく、ほんとうに元気いっぱいな様子でよかったと心から思う。
 
親友のS美が、明るく、若くなった…と写真を見ていってきた。やはり、女性はオレといると暗く、歳をとるのか…。よろこんでいいものやら、反省すべきやら…。
 
「よろこんで反省してください」。新婚ほやほやのS美から返ってきた言葉はそれだった。そればかりが、こうした流れをどこかで見ているにように、言い当てる。こいつは、きっと千里眼に違いない。

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