秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

ま、落ち着いて、お茶でも飲め

今回の衆議院議員選挙。マスコミの報道バラエティでは、やれ小党乱立だの、政策がみえないだの、粗製乱造で政策が未知数だのと、実に、かまびすしい。

意図して、視聴者、選挙民を混乱させるような情報の提供をしていると、うがった見方さえしたくなってしまう。
 
政党は政党で、実態もわからない新聞やテレビの世論調査に一喜一憂し、前言を翻してみたり、いやいや、それは誤解で、これから議論を重ねようと提案しただけだ…といった調子。果ては、あえて、公約やマニュフェストをあいまいにしてしまう。
 
この国の国民もずいぶんとバカにされたものだ。この程度のまやかしをやっておけば、浮動票はこっちになびくだろう。演説や討論で極論を言い切ってしまっても、いやいやそうじゃなくて…とあとでフォローすれば、国民は騙せるといった風情がまざまざと透けて見える。政権を仮にとった後が、こわいぞ…やばいかも…と思わせるようなタイトロープだ。

先行きの見えない経済情勢や国際情勢。だれもが右往左往するのは仕方がない。右往左往して浮動票をつかもうとしているから、どの政党も政治家も右往左往した対応しかできないし、マスコミ報道ばかりに頼っている庶民も右往左往することになる。
 
いくら詭弁を弄しても、実は、人とういのは、いろいろな思惑や企みが透けてみえる。そのごまかしがどの政党にも、どの政治家にも見えるから、みんな迷っているだけのことなのだ。

「ま、落ち着いて、お茶でも飲め」。どこで覚えたのか、うちの息子が小学生の低学年の頃に、オレが家庭の大事について話をしようとすると、その話題を避けるように、口癖のようにいっていた。確かに。大人、親が苦しんで考えた結論を、苦しみながら子どもに伝える前に、もう一度、冷静にその結論でいいのか、見つめ直す必要があるかもしれない…
 
息子にそういわれて、なるほどな…と考えさせられたことがある。
 
選択に迷った時は、それも大事だ。情報や人の思惑に翻弄されるより、落ち着いて、語り手やアピールしている人間の顔、表情、言葉を深くみつめ、それが何を自分たちやこの国にもたらそうとしているのか、自分たちと子どもたちこれからにどういう社会や国をもらすかを考えた方がいい。