秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

道はいつも一つしかない

福島県福島市会津若松市いわき市と柱となる行政への根回しと産学共同の道すじを一通り付けたところで、いよいよ、「福島・東北まつり -ふくしまから歩み出そう」のスポンサー・協賛団体へのアプローチを始める。
 
すでに、一つの大手へのルートは進めている。だが、イベントそのものへの強い支援ではなく、それは、MOVEが進めるIT事業計画への協賛が主たる目的。イベントそのものへの力強い応援をどこかが柱となってやってもらわなくてはいけない。合わせて、企業一口5万円の支援寄附を募っていく。最終決着地点は9月上旬に置いている。
 
そのためにも今月から来月お盆までにアプローチを終えておきたい。8月下旬には、本業の作品コンペ企画で忙しくなりそうだからだ。
 
先週の土曜日、いわき市にたどり着き、いわき街ぐるウォークをやっているKさんと合流し、仲間とがやがややっていると、初顔合わせのある方が「このために、わざわざ東京から?…」と尋ねてきた。すると、Kさんがいった。「いやいや。監督は、一つのことでいくつも仕事をこなす人ですよw そういう顔はしているけど、このためだけにというわけではないのですよw」
 
その通りw すっかりKさんには、オレの仕事の流儀が読まれてしまっている。せっかく、Kさんの街ぐるのために…といったのにw
 
自営業者やサラリーマンに限らず、物事を進める要にいる人間は、いくつもの仕事を同時にこなせる能力がいる。交錯しない仕事もあるが、仕事の中に交錯点をつくった方が、同時にいくつかの仕事をこなす労力は少なくてすむし、達成できるものが大きい。

とりわけ、ほとんどの進捗作業をひとりでやらなくてはいけないとき、意図して仕事は交錯させた方がいい。そのためには、この窓口ひとつに、いくつかの案件をぶつけることだ。そのためには、話術もいるし、ボキャブラリー、知識もいる。そして、テクニック以上に、熱意と思いがいる。企画という抽斗がいくつもいる。そして、念押しとしつこさがいるw
 
幸いにして、オレの場合は、舞台・映画・映像・イベント・書籍出版・IT・政治家・プロダクションといった抽斗があり、それぞれにオレの背後にプロ集団がいる。つまりは、人のネットワークがある。その分、持ち出せる企画の幅がある。これは、これまでの仕事の中でつくりあげてきたものも多いが、やはり、MOVEの活動を通じて出会ったネットワークの方がさらに大きい。
 
人はよく、これは自分の専門ではないから…とか、素人がやろうしてもムリに決まってるとか、いろいろな理由をつけて、新しいことに取り組むことを躊躇しがちだ。
 
もちろん、オレだって一つひとつを微細に取り上げたら、専門知識あり、経験のある分野はわずかなものでしかない。だが、ひとつの創造活動の中には、ほかにも応用できる普遍的な共通項というものがある。
 
知らないことはいまから学べばいい。経験のないことは、やりながら学んでいけばいい。わからないことはわかる奴に聞き、学べばいい。やっていて失敗したら、失敗から学べばいい。失敗したら、失敗を生かし、反省し、すぐに前に進めばいい。
 
人は当然、万全で完璧ではない。だから、一度立ち止まると不安や自信をなくす。そして、できるのだろうか…と、まだ何も結果が出ていないのに、可能性ばかりを考え、立ち止まってしまう。そして、立ち止まった自分にあれこれ理由をつける。理由をつけているうちに、当初やろうとしていたことが実に至難なことに思えて、結局、挫折する。
 
そうではない。可能性を考えるのではなく、いま何をしなければいけないかに心を砕くことだ。心を砕きながら、そこには迷いはあるかもしれないが、前へ進み続けることだ。あそこまで、歩くのだ。進むのだ。そう決めたら、いけるかどうかではなく、そこへ行くのだ。行くために何をすればいいかを考えればいい。自分で足りないことは人の力に頼ればいい。

傷つくこともある。落ち込むこともあるだろう。疲れ切り、孤独を感じることもあるかもしれない。だが、そうすることが自分の喜びあり、生きる使命であり、目的であり、そして、人のため、世のために自分のいのちを使うことであるなら、迷わず進めばいいのだ。人にそれは理想だと笑われようが、不可能だとそしられようが、人に与えられた道はいつも一つしかない。