秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

どうしてあんなに下品で醜いのだろう

数日前に久々、恵比寿のタイ料理の名店。「マイタイ」に、FBの知り合いを案内した。
 
お盆中ながら、仕事途中のメシだからと酒は軽くで、主にメシ。しかし、いついっても、ここはうまい!しかも、タイ料理は酢や薬味をたくさん使うから、食べる先から、からだにしみわたる。食べるほどに、からだが喜んでいるのがわかるのだ。
 
そんな感想を語りながら、一緒したY子さんが、テレビを見ない…という話になった。確かに。オレのまわりでテレビを熱心に見ている人はほとんどいない。
 
オレは比較的見ている方だと思うが、いわれてみれば、見てるいのは、ドキュメンタリーか、たまにやる映画のリバイバル放映、それにニュースくらい。ドラマはほとんど見ないし、情報バラエティ番組はまず観ない。話しているうちに、見るに値するテレビ番組が本当に少なくなったのだなと改めて思う。
 
が、しかし。クールの変わり目、編成のつなぎ目に登場するドキュメンタリーや記念ドラマの中には、テレビならでは…というものがなくもないのだ。
 
昨日、久しぶりに相模大野の家を訪ねて、御宝前でお盆のお参りをしてから、テレビをつけると、NHKがシリーズで収録している「渡辺謙アメリカを行く」をやっていた。

詳細はFBに書いたが、9.11以後のイスラム教徒、アラブ系アメリカ人に対する差別に立ち向かった日系議員、ミネタ運輸長官の闘いを追ったドキュメンタリー。
 
人々の自由の自己獲得に何が必要なのかを考え、憲法における基本的人権を絶対に譲ってはならない当然の権利として守り抜く…その姿に感銘を受けた。と同時に、いまこの国に広がっている福島差別や原発差別に改めて心が痛くなった。
 
ミネタ氏は語る。いままであった何かを捨てない限り、民主主義を実現する道はない…。
 
差別や暴力は、すべからく、自覚なき威圧や言葉の暴力、DV…その根幹にある、古色蒼然とした身勝手さが生んでいる。この世の不都合をすべて他人に押し付ける無責任きわまりない、卑怯者の増加がつくりだしているのだ。
 
自分自身の中にある、思い込みや固定的な見方。人を傷つけるそれらは頑固者の美学とは縁遠い。固執した考えを当然のごとく語るリベラリストの顔は、どいつもこいつも、どうしてあんなに下品で、醜いのだろう…。

確かに、昨今のテレビはつまんない。しかし、こうした制作者の信念や思いを伝える番組もたまにはある。大事なのは、それをチョイスでき、作品から多くを学べるリテラシーを育てることだ。