秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

FaceBookおそるべし

北部アフリカ地域で市民革命が続発している。
 
チュニジアに始まった独裁政権への抵抗と勝利は、エジプトなど近隣諸国に飛び火し、これまで王族や独裁者に虐げられていた人々、無名の市民たちが蜂起している。
 
基本、それはアメリカ依存やアメリカンスタンダーの押しつけに対する抵抗だし、一部のオイルマネーを握る人間たちへの反抗であり、オイルマネーを握る権力者がアメリカ文化圏に依存している現実からの自立の主張だ。
 
もちろん、そこにはイスラム主義がある。多くの宗教やイスラム教に無知な人は、イスラム、正式には、イスラームが危険な宗教のように思っている人がいるが、それは、9.11以後、アメリカが意図して流した、デマだ。
 
イスラム原理主義という言葉は、イスラム世界にはないし、宗教学の上でも存在しない。イスラム原理と伝えることで、イスラム教の教義や戒律に厳しく、閉鎖性にとんだ宗教のような印象を意図して与えようとした情報操作に過ぎない。
 
イスラム教の教義は、人が生きていく上で、「自然」を一番大事にする宗教。
 
大量生産や大量消費とはまったく逆の宗教的理念がその根幹にある。だから、西欧近代化から遅れることになり、物質優先、拝金主義の資本主義世界で、遅れた国家、遅れた宗教というレッテルを貼られ続けた。
 
当り前の人間の営みを何よりも大事にし、宗教的戒律に従順。すべてを宇宙や自然、天=アッラーの恵みとして、感謝に生きる宗教だ。経典宗教の中で、最後に登場したイスラームが排他的な宗教なら、ヨーロッパ文化を威圧したオスマン帝国当時、エルサレムからユダヤ教キリスト教も追い出すことができた。
 
もし、それをやっていれば、今日続く中東の問題も起きなかったといっていいくらい。
 
イスラームには寛容がある。しかし、隷従を強いられ、寛容が限度にくれば、解放を求めて人心が動くのは当然のことだ。
 
その中でも、虐げれらたひとりひとり、冷遇に甘んじ、孤独な生活を強いられた人々を連帯させ、市民運動を実現させた力は、FaceBookだった。
 
これまでのSNSとはまったく違い、容易に知人、友人を結び付け、そのネットワークの自由さが、心無い書き込みや誹謗中傷の輪ではなく、建設的で、前向きなコミュニケーションツールとして世界に流通している。
 
実は、オレも昨日からFaceBookを始めた。登録した瞬間、ご無沙汰していた数人の知人、友人とすぐにアクセスがとれた。驚いたのは、ロスにいるある知人。正月に東京で数年ぶりに会い、今度、いろいろ話そうと声をかけあっていた。その人物が、もしかして、友人?とデータに上がっている。すごい!
 
活用法はこれから学ぶにしても、このネットワーク検索の素早さと規模は半端ではない。ツィツターを越えているし、英語を駆使すれば、より広いネットワークも構築できるだろう。
 
さらには、スカイプと連携できるのもいいし、ユーストリームにも生かせる。
 
社会は市民によって変えられのが当然のこと。しかし、その市民の自然で自由な意志がいま、いろいろな情報操作によって、押しつぶされている。その間隙を縫って登場した、新しい運動体のツール。
 
自分が、あなたが社会を変える主役となれる時代がきたのだ。