秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

Yの病い

おおまかなカット割りを終える。詳細のつめは、スタッフ会議。
 
制作部、チーフ助監督のYとOが来訪。夏にひと月入院したというY。高血圧と血糖値が異常に高く、入院治療が必要となった。糖尿病の診断だったが、これが検査してみると副じんにできた腫瘍のせいとわかる。
 
悪性ではないという診断だったらしいが、年齢も60を過ぎつつあり、悪性に変異するまえに、12月に摘出しようということになったという。副じんのホルモンバランスが崩れ、糖尿と同じ症状が出るから、白内障にもなっている。
 
そんな体で、オレの仕事だからと、予定をやりくりして参加する気だ。いつも状況を笑い飛ばす骨太さがあるから、見た目、軽くいまの状況をいなしているかのように見えるが、実は、不安と心配があれこれ心をよぎっていることだろう。
 
Yとも、60前後の男たちと話すとき、いつも、みんなでうなづくことがある。
 
70過ぎ、80代などは、戦中戦後の食い物のない時代に成長期や青春期を生きている。粗食に鍛えられ、体も動かしてきた。そのあとのオレたち世代は、それに比べたら、貧しさは経験したものの、体や心が鍛えられていない。
 
それでいて、社会の中心や責任ある立場にあって、ストレスが大きい。耐性が弱く、免疫も弱くなっているオレらは、先行する世代のように長生きはできないだろう…。そういうと、大方の連中が自然にうなづく。
 
ぼくらは、あわれな子どもだから、目にあらわれたものしか、見えはしない…か。