僕等はあわれな子供だから
北海道が狭いのか。それとも、オレが北海道の縁を引き寄せているのか…。
先月、コレドでばったり出会った、中標津の皮膚科医の先生Kさんと奥さん。話すうちに、オレと旧知の女性のブログを読んでいたという話を、このブログにした。
イタリアと日本のソムリエ資格をもち、いまや東北、北海道あたりのワイン好きの人たちには、著名となった、根室在住の「極東のノムリエ」(ソムリエと飲むをかけている)の通称サリーのT。
そんなメールのやりとりをしていて、上京されたらご連絡をといっていたら、昨日、コレドに行きますの連絡。で、顔を出す。
そこで、この間、大学秘書のKさんが秀嶋カフェに同伴した、いま日本でトップの脳循環器の術数をこなす、名医、旭川のT先生の話をすると…。な、なんと!
旭川医科大学時代の同級生ではないか。これには、皮膚科医のK先生、超びっくり。奥さんも、ヒデさんって、どういう人??? になる。
で、結局、T先生とも語り合った、現在の医療の問題、スーパードクターに過剰な期待をする患者、家族の意識の在り方、それをあおる、コミックやテレビドラマの問題点から、医療制度、終末期医療の考え方、あるべき死生観などについて、盛り上がる。
行き着くのは、公民意識のあり方から教育論。民度の低さがすべて、この国の問題点。ゆえに、教育!という話になる。
オレのブログも読んでくれていて、この間、Mさんの奥さん、Mちゃんにオレが恋愛に超鈍感なところを説諭された話でも盛り上がる。
まさに、秀嶋カフェのノリ。
人の縁とは本当に不思議なものだ。実は、K先生には、まだ話をしていないが、オレは先生の出身地、群馬県前橋市とも縁が深い。仕事で来訪したのは8回以上。前橋文学館が萩原朔太郎の作品をつくるというコンペが始まり。オレが病気で倒れた時期、スタッフでいたのも、前橋出身。
そうしたこともあって、この数年時間をみつけては書いている小説は、前橋が舞台。
この数日、原稿書きで、ソファ寝で仮眠しかとっていなかったオレ。
次の修正作業、さらには、撮影の段取りと続くが、この連休は少し余裕が。2、3杯飲んで、爆睡しようと思っていた矢先のK先生からのお誘いの電話。
早く台本を終わらせなければ、そう考えているオレの頭の中には、中盤から後半に差し掛かっている、その小説の原稿を書き上げなければという思いがあった。
前橋がオレをコレドに読んだのか…。ちなみに、萩原朔太郎は、一時期、乃木坂に住んでいたことがある。
「僕等はたよりない子供だから 僕等のあはれな感触では わづかな現はれたものしか見えはしない…」(萩原朔太郎「自然の背後に隠れて居る」)
このフレーズが初めて、敷島公園で朔太郎の生家を見たときから、頭から離れない。