秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

オランダせんべい恐るべし

夜、酒豪編集者Rが来訪。
 
忙しいRが確実につかまるのが年末年始。ということで、30日も仕事の奴と連絡をとりあい、今年最後の締めをRとコレドで。昨年は正月三が日に二人して飲んでいた。
 
築地の某食堂、浅草の助六と、「日本酒を常温で」の店に連れて行くとやたら似合うR。築地も浅草もありだったのだが、北海道は中標津のK先生夫妻が年末のバカンスへ向かう途中、30日にコレドに顔を出すと聞いていた。
 
おりしも、海坊主(ほんとは、フリープロデューサーのKさん)、K先生夫妻が最近、常連の定席になりつつあるカウンター奥に陣取っている。Rは初対面でもすぐ人にうちとけられる奴。清少納言が現代生きていれば、きっとRのような奴だったに違いない。
 
どこか小学生のにおいがするK先生と奥さんの天然お嬢さんさまノリで、Kさん夫妻も人見知りがない。
 
で、つれづれなるままに、札幌、中標津、そして、不思議な縁で共通の知り会いだった、極東のノムリエ、脳外科医のT先生の話題から、根室の名物「オランダせんべい」の話題で盛り上がる。
 
最初に、わけのわからない、「オランダせんべい」なるものをくれたのは、極東のノムリエ。偶然ながら、その頃よく飲みに行っていた店の女性スタッフも根室の出身で、そこでもオランダせんべいの話をすると、東京ではだれもしならいのに!と感動されて、みやげにもらったことがある。
 
が、しかし。名物にうまいものなし。なのだが、そんなことをいって笑のネタにしていたら、K先生、オレたちの食べさせようと買ってきていた! 
 
幸いホテルに置き忘れていたのだが、このオレの個人的味覚体験がK先生の北海道中標津魂に火をつけてしまった(笑)。そればかりでなく、Rが、「北海道なら、ロシアせんべいでしょ。オランダせんべって、なんか嘘くさい感じ…」といったのがよくなかった(笑)。
 
ムキになり、オランダせんべいのうまさを力説するK先生。とうとうRの会社に送ると言い張る。「秀嶋さんの先入観は受け止めないで、まず、素直な気持ちで食べてほしい。きっとうまいから。そしたら、みんなに食べさせろ」というミッション。
 
オランダせんべいで、こんなにムキなる人を初めて見たが(笑)、オランダせんべいでこれだけ盛り上がるのだから、オランダせんべい恐るべし。
 
Rの酒豪を知って、ずいぶんとK先生にはお酒をごちそうになってしまった。Rの酔ったときの酔拳状態を見せて、せめてものお礼にしかたかったが、あまりの会話の楽しさに、いい酒になって、Rもオレも深く酔うほどではなかった。
 
途中、医療問題から閉塞した社会の脱出の見えない状況に、ふとマジな話も織り込む。
 
良識ある知識人は、会話の楽しみ方を知っている。