秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

贈物にこめた思いを

男優の赤沼正一から公演の招待案内を受けているのだが、台本書き、お彼岸法要とぶつかり、どうしたものかと迷う。
 
銀座みゆき館で先月の31日から今月5日までの公演。行けるとしたら、5日のお彼岸法要の後くらいだろうか…。
 
とりあえず、初日に花は贈っておいた。花屋は当然ながら、いつものアリエールさん。ポイントが溜まっていて、サービスに淡いオレンジのバラとクリームのバラをもらう。
 
そういえば、芝居の公演祝いに花を贈ったのは、赤沼がコレドで客演で出演した芝居以来。しかも、こうして、自分の部屋に花を飾るということを、久しくしていなかったことに気づく。
 
昨夜は、徳島県の名門高校と京都大学で教鞭をとるI先生から、10月にやる講演とシンポ、それにオレの作品の上映会の連絡をもらう。数年前から、徳島の高校や京都大学で、オレの作品をつかった講義が行われている。
 
社会学者の宮台真司も数年前に京都大学に講演で招かれたらしいのだが、双方を知るI先生に、「秀嶋さんは、ちっとも連絡してくれない」と、軽いクレームがあったらしい(笑)。確かに、たいぶ、連絡を取り合ってない。
 
I先生は、今回の企画を成立させるために、徳島県、人権センター、学校、そして京都大学と、あちこちに奔走して段取りをされているのだなと、その文面から察しがつく。
 
かつては、定例の教育シンポを自ら企画し、奔走していたことがあるから、その苦労はわかる。I先生の熱意に、ふと、いろいろな形で表現の場を確保しようとしていたときの自分を振り返らされる。
 
ナレーターのTさんの姿、赤沼正一の姿、I先生の姿に、「秀嶋さんは、ちっとも連絡をくれない」という言葉が重なる。
 
アリエールの花ではないが、人が人に何かを贈るというのは、そこに思いがある。オレがアリエールの花や赤坂塩野の和菓子、WESTの洋菓子、IDEAの時計、DIESELを人のプレゼントにするのは、それが自分でもいいものだという確信があり、それを贈ることで、喜んでもらいたいと思うからだ。
 
表現というのも、同じ。
 
講演にせよ、シンポにせよ。あるいは、オレの映画制作や台本づくり、小説書きにしても、それを届けて、心を動かしてもらいたいという願いがあってやっている。
 
時間のかかるもの、そうではないもの、いろいろだが、何とか表現を確保しようという熱意と意気込みを失っては、表現の場はどんどん失われていく。
 
赤沼正一、Tさん、I先生の姿に、それを深く教えられる。
 
人が幸せになるために、だれかに頼まれたのではなく、自分の願いと熱意で実行する。それが表現者魂。