秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

マイナーチェンジ

来月後半、講演、京大教授とのシンポもあり、また、長く続いていた勉強会の資格をもらい、その資格授与式が来月末あることから、思い切って、ヘアスタイルを変える。
 
ヤンキーな兄ちゃんから、マジメなおじさんへ。長い付き合いの美容師のS。ぶっとびファッションの方がオレらしいと思っているから、いまひとつ、ノリが悪い。
 
三ヶ月ぶりに渋谷の店にいき、そのまま、二人して飲む。外苑前のすし屋ごっつぉ。ふらりと行くには、手軽な店。
 
ところが、店長が変っている。しばし、様子をみていたが、従業員は増えて、若返っているが、どうも新しい店長、会話はしないし、笑顔がない。店の客にもきちんと眼がいってない。
 
生ものはやめて、もろきゅうや焼きナスで飲んでいたが、少しできあったところで、試しに、こはだを頼んでみる。思った通りだった。酢が通っていない。〆方が浅い。
 
以前の店長のときは、これが絶品だった。お手軽すしチェーンだから、ネタが少ない、ネタも一流どろことはいかないが、手間のかかる、こはだやあなごといったものの仕事は丁寧だった。
 
灰皿がいっぱいになっても気づかないし、お絞りを出すのを忘れていても気づかない。店がきちんと動いていない。
 
救いは、若い職人が、すっと酒の話題にのってきて、やっとすし屋らしい会話になったこと。店長に不満もあるだろうなと直感する。
 
スウェーデンとオランダ人の仕事仲間だという男性二人づれが、隣のカウンターに座り、どうやら日本語は全くダメそうだなと思っていたら、案の定、話しかけられる。
 
「その飲んでいるのは、何だ」「これは日本茶と日本のウオッカをブリュードしたものだ」というと、「ほほほ、珍しいから飲んでみよう」。
 
それなりの仕事をしている奴らと読んだ。二人ともネイティブ並みの英語。
 
新潟出身だという、若いすし職人、目の前に座った外人二人の片言日本語英語に、がつんと日本語で返す。それが伝わる。「こういうのは、気合ですから」。笑いながら、そういう兄ちゃんの無骨な笑顔がいい。
 
こういう顔をする若い男がまだいるのだなと、ふと嬉しくなる。まだ、20歳そこそこくらい。戦前の日本人のような雰囲気があった。酒、料理、男と女の付き合い方…。その話に、小気味よく、入ってくる。返す話も確か。
 
地方から借り出され、戦地で上官の命令のまま、突撃攻撃をした若者たちは、きっと、こういう顔をしていただろうな…。
 
脈絡もなく、そんなことを思った。オレのヘアスタイルも、そこに少し近づいたか。
 
イメージをマイナーチェンジした、まだ暑い、夏の夜…。