あの素晴らしい愛をもう一度
ほとんど知られていない。
サザンの桑田啓介が、世界で一番好きな歌と語った曲。
オレが中学からバンドをやり、高校二年でシンガーソングライターをやって、オリジナル曲以外で、当時、もっともリクエストやアンコールの多かった曲。
高校3年のとき、盲腸の手術をやり、見舞いにきてくれた下級生の女子生徒たちも、クラスのレクレーションでの同級生たちも、同時、付き合っていた演劇部の女の子にも、ステージ以外で、そこにギターがあると、みんなが聞きたいといったのはこの曲だった。
失恋の曲なのに、単に恋の歌だけで終わらない、不思議な深さがある。高度成長期から消費社会へ転換する時代の、70代の心から物優先の社会へこの国が変ってしまう空気感が、この曲にはある。
豊かさだけが人の幸せなのか…。失われていく、かつての日本人の美しい人心を嘆く歌に聞こえたのは、当時、高校生だった、オレだけだったのだろうか…。