秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

東寺の曼荼羅

お世話になっているプロデューサーのKさんに、新事務所のお披露目。

この間の秀嶋組忘年会に誘おうと思ったが、先週末にぎっくりをやったとのことで、週末に日程をずらす。引っ越し祝いの「赤霧島」の御礼に、胡同四合坊で、北京ダック。チリのシャルドネで、できあがったところで、コレドに顔を出す。

最近よくこのブログに登場する京女で、時代劇女優のKさんが現われ、プロデューサーのKさんと一緒に、東映太秦話で盛り上げる。Kさんは、すっかり時代劇女優のKさんに参っていた。

前から思っていたが、京都弁に、渋い、センスのいい着物。時代劇女優らしく、上背もそう大きくない。そんな女性を、団塊世代のアホなオヤジや京都と聴いただけで、幻想を抱くような男性陣がほっておくわけがない。

大体、団塊というのは、勝手に女性のイメージをふくらませ、ありえない、幻想を抱いて、手も満足に握れない、アホな青春時代を過ごした輩。

そりゃ、Kさんの姿に妄想コテコテだろう。しかも、邪な妄想なら、まだ大人らしいが、奴らが抱く妄想といったら、白樺の林を、笑顔でふりかえりながら、スローモーションになるようなそれだ。当然、笑い声にはエコーがかかっている。バカか。

奥さんのMちゃんに聴けば、やはり、ファンが多いらしい。Kさん自体は、超おもしろ人だから、人気があるのはわかるが。

久しぶりにお会いして、なにかの流れで、真言宗の総本山、東寺の話になり、なんでも曼荼羅の立体図があるという。東寺といえば、五重塔だが、曼荼羅の立体空間というのは知らなかった。

いわゆる曼荼羅は平面図だが、簡単にいえば、それを床に広げ、それぞれに配置されている仏たちの像がそこに鎮座しているらしい。当然、中央には大日如来。その空間を歩いていると、不思議な感覚に包まれるという。

「仏さんに包まれている、やさしい気持ちになりますねん」。なるほど。想像しただけでも、察しがつく。そして、どんなに、やすらかな気持ちになるだろうと、想像する。

ブッティスでもあるオレとしては、一度、この身体に体感していみたいと、切実に思う。

宇宙の見えない力、慈悲と愛に満ちた世界に包まれれば、オレのような邪な心と、散々周囲に毒を吐き散らし、身近にいる人間に辛酸を嘗めさせているような、血の池地獄に落ちても仕方がない奴は、うわっと、号泣してしまうに違いないのだ。

「善人なおもて往生す、いわんや悪人をや」の世界だ。

Kさんのわずかな話に肌にその空気感を感じ、きっと泣くな…と、直感する。ということは、オレがやはり、いかにひどい人生を送ってきたかという証だ。

自主の撮影が終わったら、懺悔の旅に出るのも悪くはない。