秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

クイーン

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節分が過ぎて、立春の頃になるいま、秀嶋組新年会の業務連絡を流す。

秀嶋組の集まりなら、あえて新年会でなくても、できるのだが、このタイミングを逃したら、おそらく、3月下旬過ぎまで、飲み会で集まるときがない。しかし、昨年当たりから、音効のSが、映画の仕事で忙しい中、参加するようにもなった。

この間の引越しで、Sの弟子のKを人質にしているから、ここは奴の仕事の谷間をねらうのが礼儀だろうと、急遽10日にする。

実は、いま書いている自主作品に、あいつとあいつと、あいつを使おうというイメージもあり、のびのびになっているが、ワークショップやら舞台やらをやらせようと思っている俳優陣の顔を久しぶりに見たいという思いもあった。

しかし、急の連絡ということもあり、塩原、神川、春馬が欠席。ならば、うちの新事務所でもいいかと思って、ふと気づくと、やはり、クイーンのベットがスペースをふさいでいることに気づく。

ベットがなければ、なにやかで10人は楽に入れる。しかし、それがいまの状況ではできない。これは、やはり、折りたたみベットを購入し、クイーンはどこかに引き取ってもらうか、粗大ゴミにするしかないと、改めて思い当たる。

だが、このベット、実は、寝心地がすこぶるいい。これまでいろいろなベットに、一人、もしくは二人で寝たが、このベットほど熟睡させてくれるベットに出会ったことがない。というくらい、オレには合っている。

それに、オレはめちゃめちゃ寝相がわるい。この大きさだとストレスを感じない。そんな女性はいまいないが、もしオレの横で寝てくれる人がいても、迷惑をかけない。

そんなこんなの未練がスペースが狭くなるのに、廃棄できなかった。実は、相模大野の家に送ろうかとも思ったが、そこでもこれだけのベットをおくと、それだけで一部屋ふさいでしまう。息子からクレームがくるのは目に見えている。

そんなことを考えながら、台本書きでくたくたの身体を休めようと、レッドに顔を出す。

イタリア、ピサ出身のアルベルトが現われ、景気の話から、デフレスパイラルの改善策、トヨタのリコール問題から、奴が最近みつけたいう三軒茶屋の超ワインが充実した店の話など、例の超スローな日本語に付き合っていると、ネーリストのKが現われる。

新事務所の問題点を話すと、ちょい席をはずし、折りたたみベットの資料をインターネットで引いてきてくれた。

「睡眠を大事にするか、仕事を大事にするか」。まさに、Kが指摘するように、また、イワが指摘したように、「それが問題だ」。

だが、もうオレの心は決まっている。ベットなんていりはしない。折りたたみで十分。この空間のよさを大事にしたい。その思いの方が、強い。そういう思いの先に、きっと本当の意味で、オレの再出発があるような気がしている。

どこかでクイーンを探し求めていた、寂しがり屋のメタボの騎士は、クイーンを求めることをやめ、ひとり、折りたたみベットを抱え、荒れ野の原野に馬を走らせる…。

写真は、孤独な騎士を、唯一なぐさめる、窓の風景。