秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

嘘とごまかし

麻生太郎がパニックっている。

都議会議員選挙で敗北すれば、自民党内の反麻生の勢いばかりか、公明党の麻生下ろしが噴出するのは必至。都議会議員選挙を踏み絵にしたのは、おそらく公明党。その圧力もあって、麻生はやっきになっている。

厚生労働省の分割を自分で言い出しておきながら、官僚と厚生労働省族議員の反対で、自分はそんな発言はしてないと、一国の首相が発言を変えながら、分割なんて一言もいってないと、平気で大嘘をいう。
「ごめんさない」と一言いって、素直に頭をさげれば、すむものを、それをしない。

幼い子どもに嘘をついてはいけませんと指導している親たち、教師たちは、これをどう子どもに説明しろというのだ。そんな、当たり前のことができない人間が、平気で嘘でごまかし、首相の座にいられる政権は、完全にその資格を失っている。そもそも、国民の審判を受けていないにもかかわらず、オレは首相だと言い切れている、その厚顔無恥さが信じ難い。

いまの自公独裁政権は、自分たちが得た利権を必死で守るために、手前勝手な解釈とご都合主義で、自分たちは悪くないとガキのようにいいわけし、筋違いもはなはだしい屁理屈で、人を攻撃する。論理的に批判しているのではない。他人の弱味を必死で見つけ出し、揚げ足をとる、下品で、いやしい、ネガティブキャンペーンを張っているだけ。ときには、検察官僚を動かしてまでも。

実際、「民主党批判マニュアル」まで、自公独裁政権はつくっている。国の指針を示すべき、国会議員が、自分の言葉で批評、論評できず、お仕着せのマニュアルで、全員一丸となって、同じ文言で、他党を攻撃する。情報操作とマインドコントロールが得意な自公独裁政権の実態をここでも露見する。

「100年の一度の危機」と国民の不安を煽って、ここぞとばかり、自公独裁政権の人気取りと利権を得るため、官公庁や天下り団体、自民党支持団体、公明党支持団体が儲けるような、ばら撒き大型補正予算組み、まともな審議もせず、強行可決したにもかかわらず、前例のない補正予算を通過させた自公独裁政権こそが、国民の生活を考えていると、平気で嘘をついている。

この間も書いたが、官公庁の無駄をはぶくこともせず、税金の使い方を検証することもなく、母子家庭の生活保護費を削り、生活保護申請の条件を厳しくし、年金から強制的に天引きする形で、高齢者の医療負担を増やし、年金問題では、その管理のずさんさに加え、将来の受給金額に嘘があることが露見しても、いまの年金制度は100年大丈夫と、これも嘘をつく。新型インフルエンザの政府の過剰対策で、大阪ではそれによる企業倒産が起きている。これで、どこが国民の生活をが守っている。

企業倒産件数は四半期最大。失業者は5%の大台。しかも、6月危機がいわれている。国民生活はますます厳しくなっている。大型補正予算の効果は、一時的なものでしかないというのは、多くの経済学者の共通した意見だ。国民生活に手が届く施策ではないことは、明らかだ。

自公独裁政権にとって、守っているのは、それを支えている官僚や支持団体だけで、語っている国民の範囲が実に狭い。反自公独裁の国民は、国民ではないのか。いや、反ではなくとも、政治のいろいろがわからず、権利主張もできず、生活苦や苦渋にされされて、声を上げようにも、声を上げる術も知らない、人々は、国民ではないのか。

独裁政権は劣勢に立てば、必ず、外の敵に人々の眼を向けさせる。国粋主義者、麻生は、とうとう北朝鮮へのより強固な圧力を言い出した。「覚悟が必要」。これは、あからさまに武力行使をいっている。国民の北への不安を利用して、北を叩け!の大合唱をつくり、内政の失策をごまかそうとする。威勢のいい麻生だが、それに大好きなアメリカが同調するとでも、中国、ロシア、EU、東南アジア諸国、世界の世論がくいてくるとでも思っているのか。国際社会と連呼しながら、国際社会がわかっていない。

ソマリア自衛隊派兵の問題は、国会審議をしていないところに問題があるのだ。小泉がやったイラクへの派兵から、戦闘地域への自衛隊の海外派兵は閣議決定が当然となった。しかし、この時点から、明らかな憲法違反。これは、裁判でも違憲と結審している。

にもかかわらず、自公独裁政権は、司法判断を無視している。それは、9条解釈の問題での違憲だけではない、国民に派兵内容の詳細が知らされないまま、拡大解釈されることが違憲なのだ。近代国家における憲法は、国民が政府を拘束するために誕生したもの。国民生活に大きな課題となる決議をする場合、国会の承認が必要なのは、絶対的なことだ。そのことを民主党も小沢も言い続けた。

それが、麻生の言葉になると、自分の国の船舶を守るためにソマリア沖に自衛隊を派兵することのどこが悪い、になる。「どこが、悪い」。その言葉は、政治や法を知らない、どっかの民族主義の田舎のおっちゃんたちが、個人的な感情で、言うせりふだろ。憲法上でいえば、国民の合意もなく、一部の人間だけでそれを決定していることが問題なのだということ、つまり、安倍と同じく、近代憲法というものがわかっていないから、そんな発言になる。

国民の審判を得て、国会の合意を得て、その上で、国民が、場合によって自衛隊員の血が流れてもよい、戦闘が混乱し、長期化し、自衛隊ばかりでなく、民間人が血が流すことがあってもよい、日本本土が戦闘の危険にされされてもよい。その承認を得てから言えということだ。言ってるのは、世界でもなく、国民でもない。一部の威勢のいい、田母神のような、教養のない民族主義国粋主義者だけだ。

パニックって、こんな愚直な言葉しか、こんな見え透いた戦術しか使えない首相とは、どういうものだ。
そんな首相が、日本国の代表であることを人々はどう思うのか。街宣カーを降りた麻生に、熱狂的に握手を求める、あきらかに動員された支持者たちの姿がうつっていたが、この人たちは、日本の未来を保証できるのか。

弱き人々、高齢者、女性、子ども、それらを本気で守ることのできない国は、嘘とごまかしで固めた政治は、必ず疲弊する。弱者を守れない人間に魅力がないように、そんな国に世界は敬意を払わない。