秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

金と力はなかりけり

三人よれば文殊の知恵…。文殊菩薩という知恵の菩薩に凡人は叶わないが、それでも三人集まると及ばないまでも、いい知恵が浮かぶ…という意味だ。

いかに鋭利な状況分析や現状把握ができ、それを頭脳的に構築できる人間でも、ときとして、見落としや情報の限界に遭遇することがある。そもそも、鋭利な状況分析や現状把握ができるためには、ひとりといわず、多くの人からの情報や取材が必要になる。
 
頭脳的に構築するにせよ、そのためには、構築のための堆積されが学習が必要あり、パターンとなる引き出しがたくさんなくてはならず、それには、やはり、情報が必要になる。だから、人の知恵は多い方がいいに違いない。
 
だが、多くの人々のじかの声やツールからデバイスされ、収集された、あふれる情報や圧倒的な取材データがあれば、知恵が浮かぶのではない。その溢れるものから、何を選び出し、それこからどう発想を展開できるかという着眼と飛躍のセンスがいる。だから、凡人が集まることで知恵は出せるが、そのあとには、やはり、システムと個人技が必要なる。

ゴールにボールを押し込む、サッカーでいえば、FW。ラグビーでいえば、走力のあるBKの個人技が必要なのだ。つまりは、情報収集作業→想像力(知恵)→デザイン→アクション(リリース)の流れ。基本的に、このラインがうまくいくか、いかないかにはポイントがある。リーダーシップと人材の活用、そして教育だ。さらには、社会からの評価につながる社会的貢献度も必要になる。

 
オレは、舞台でも、社会イベントでも、映画の世界でも、それを常に意識してきた。30歳で映像の企画制作会社に入社して、業務についての技術的な学習は寝る間も惜しまず費やしたが、管理職やプロデューサーとしてスタッフを動かすことにはそう苦労しなかった。会社のマネジメントを担う役員になっても、戸惑いはほとんどなかった。それは、いま、オレが人から何者?…といわれる理由にもなっていると思う。
 
この6月は、特定非営利活動法人MOVEの新組織体制や今後の活動の方針とそのコンセプトを明確にし、これまでとはまた、一段も二段もギアをハイパワーで、安定した走行に変える時期にきている。
 
ただただ、ありがたいのは、この活動に集まってくれた仲間の人材のゆたかさ、分野の広さ、社会への貢献意欲の高さだ。FBというソーシャルネットワークがなければ、この活動も実現できていないし、また、こうした能力のある人々と出会うこともなかっただろう。
 
会議資料をつくりながら、思ったことがある。よく考えてみれば、中学の生徒会で役員やっていた頃から、高校で執行部の役員をやっていたときとも、大学で劇団をやった時代も、そして、独立劇団から東宝演劇部や映像の制作会社にいたときも、さらには、会社を興してからも、ずっと同じことをやっている…。
 
そして、いつも人に恵まれてきた。色男…金と力はなかりけりw でも、人がいてくれれば、何んとでもなる。何んとでもなるどころか、社会を変えていく力にもなる。