秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

思いを伝える言葉

人にはいろいろな思いがある。
 
よかれと思っても人に受け入れられない思いもあれば、自分のいった言葉を違う解釈で受け止めてしまう人もいる。
 
あるいは、なんとないその人のふるまいや言動を気にするあまり、自信をなくしたり、モチベーションをなくすという人もいる。
ことほどさように、人が人を理解するというのは難しいし、思いを共にするということは容易ではない。
 
しかし、これ、すべて言葉を中心にしているから、うまくいかないともいえるのだ…とオレは思う。
 
たとえば、男女の恋でも、好きだ好きだと思いの丈を語りさえすれば、伝わるものではない。片思いに苦しんで、どうせ、自分のことなんか、ちっとも…と思ってしまうのも、ただなんとない相手の態度で、勝手にそうだと解釈してしまうからだ。
 
そして、自分のことなんか、ちっとも…と思った瞬間に、自分の気持を伝える…ということを忘れる。
 
すべて、言葉だけで片付けたい、言葉が欲しい…という思いがそうさせている。しかし、この世の中、言葉ほど当てにならないものはない。言葉は誤解を生むし、問題をこじれさせる大きな引き金になるから。そんなもんさと最初からあまり言葉を当てにしない方が、人と人の付き合うはうまくいく…とオレは思っている。

この世の中、自分の言葉通りの一貫性を生きている人間は、ほとんどいない。自分はそれができているといえる人は、よほどおめでたい人か、自分を知らない人だ。
 
昔は、あんなに好きだっていってくれていたのに…。なんて、経験は男女ならだれにでもある。
 
言葉だけというのは、結局、口先だけということ。饒舌な奴、理屈ばかりいう奴ほど、信じられない…というのもそれがわかっているから。
 
人が人ときちんと結びつける一番の力は、行動なのだ。自分がだれかに愛されているといわれて、その言葉だけを信じる人は、だれもいない。その人が自分に、思いを伝えたい…という行動にしか、心は動かないものだ。
 
愛しているいるという思いを言葉でなく、どう行動で示せるか…人はそれを見ている。でいながら、逆の立場だと言葉を当てにする。まったく、人というのは、おかしな具合にできている。

理屈や自分の閉じた心であれこれ考えるより、まず、やってみる。思いを行動で示す。行動すれば、言葉が変わる。行動する前、思いを伝えるために使おうとしていた言葉は貧相で、薄っぺらいものに思えてくる。そして、腹の底から言葉がでるようになる。
 
その言葉こそが、本当に思いを伝える言葉になるのだ。