秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

失敗の中から

代官山のスタジオにハードディスクを投げ込み、事務所で編集システムの動作確認。
 
またまた、動作がうまくいかない…と、思っているところに、スタジオからハードディスクがMac対応になっていないのでは? という連絡。
 
そんははずは!と、OA担当メガの技術に連絡すると、営業のKからあわてて電話が入る。なんと、Kの奴、うちの会社内部でしか使用しないと思い、Windows専用のハードディスクを手配していた
 
パッケージがあれば、すぐにわかることだが、入荷したときからパッケージがない。基本情報を技術の方で、親切に保護するため開封していた。しかも、内部利用だから、説明はいらないと思い込んでいた。
 
エースKの大失敗。同時に、システムの細かいところまで確認していなかったオレのミス。結局、新たにMac、Windows双方向対応のハードディスクを自前で購入することになる。
 
ま、それはいい。しかし、このありきたりなミスで時間と労力をとられたことが悔しい。…と、愚痴をいっても始まらない。こうしたミスを通じて、しっかり確認をやれという天の啓示と前向きに考える。
 
ふと、つい最近まで、こんなことがあったり、スムーズに物事が運ばないと、すぐにキレていた自分に気づく。イメージ通りに仕事が進まないと、説諭や教育という名のもとに、厳しいことを口にしていた。
 
いまもそうした言葉が湧いてこないわけではない。だが、それを言ったところで、問題の解決にはならないと、飲みこむことができるようになってきている。これも、ブッティストの有資格の勉強の効果かもしれない。
 
人は、時間に追われ、プレッシャーを感じるとパニックになる。しかし、大方の大人は、それが自分の脆弱さが生んでいる動揺や混乱のせいだと気づかない。
 
仕事をきちんとやるためだ、親としての務めだ、教師としての役割だ、上司としての責務だ…と、建前をいい、プレッシャーや世間体に負けている、自分の人間的な弱さ、物の見方、とらえ方の浅さに気づけないのだ。
 
しかし、よく考えれば、自分が思い込んでいる世間体や体面、組織の理屈などといったのものは、大したものではない。ほとんどは、本人がつくりあげている幻想だ。人に振り回されているから、それに気づけない。
 
人はすぐに結果を求める。いまの時代はとくにそう。だが、大事なのは、人を生かし、自分も生かし、多少の時間はかかっても、その中での学びの方が価値は高い。
学びは、いずれ共有できるし、個人においも、組織においても、固有の財産となっていく。
 
結果がすぐに出せなくても、どうして結果が出せないのだと苦しむ中に、見えてくる学習があるからだ。
 
ある人がいった。「あなたも失敗した。私も失敗した。しかし、あなたと私が力を合わせれば、その失敗を乗り越えることができるかもしれない…」。
 
失敗から学ぶ知恵の共有、失敗があるからこそ、生まれる連帯…。成功の中だけではえらない貴重なそれが、失敗の中にある。