秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

冬がもうそこまできている。

撮影が終了し、編集作業の打ち合わせのため、代官山のスタジオへ自転車を走らせる。メモリー編集のための打ち合わせ。結局、事務所とスタジオの二往復。
 
夕刻から冷え込むという予報は、きっと午後に早まると予測した通り、風が冷たい。
雨の空模様に、2度目の往復は徒歩にする。
 
いま、映像収録の世界では、ハイビジョンに変わってから、どう周辺機器を軽量化、簡略化できるかがコストパフォーマンスの上でも重要になっている。
 
大手制作会社では、メモリー収録し、現場でPCのハードディスクに取り込むといった作業が広がっているし、メモリー自体も現場のニーズを受け、映像プロ用のメモリ―でなく、一般に市販されているメモリ―を利用できるように、アダプターが開発されている。
 
テープレスで、データのやりとりで撮影、編集、音付までができてしまう。
 
現場スタッフの中に、PCによる取り込み専門スタッフが加わった撮影形式が広がっているのだ。また、かりにテープで収録しても、それをハードディスクに落とし、メモリー編集するというのも一般化し始めている。
 
ただし、これが理論上、マニュアル上では、簡単なことのようで、現場でやるとなると、あれこれうまくいかないこと、問題が生じ、どこでも四苦八苦しているらしい。
 
取り込むソフトの違い、MacWindowsの違いなど、運用環境がバラバラだからだ。御多分に漏れず、うちもそう。
 
「システム変更して、新しいことを始めようとすると、それが標準になるまで、必ず、そういうことがありますよ…」。と、いったのは、秀嶋組の技術担当で、長い付き合いのO。
 
制度を変える、しくみを変える、システムを変更するというのは、確かに、そういうことだと思う。
 
取り組む人間には、数年先、10年先の姿が見えていても、いまという時間は、制度変更のための問題や課題が噴出し、議論伯仲。
 
ときには、半歩、一歩後退もするし、半歩前進することもある。だが、制度変更を急ぐ気持ちは、その行ったり来たりが我慢できない。イライラし、だったら、制度変更なんて徒労だと思うこともある。
 
しかし、その齟齬や軋轢、差異が生む困難を乗り越えていかない限り、オリジナリティある取り組み、新しい地平は開けない。
 
かつて、ISDN回線が登場したとき、1電話回線で2回線が利用できるシステムをOAにいち早く導入し、数年後、OAの営業担当者から驚かれたことがある。それが、一般化したからだ。
 
などということを、また編集ソフトで始めている。形になるまでには、あと1作品の制作が必要。今回は涙を呑んで、半歩後退。
 
スタジオの打ち合わせの合間に東京衣裳へ。今回の編集の方針を決めたところで、夜、ブッティストの集まりに参加。
 
なんだかとても、一日が何日にも思えた日。久々の代官山で、いきつけの店でコットンのシャツと、かわいいアクリルのマフラーを2本買う。
 
昨日は、龍馬の生誕日で、命日…。冬がもうそこまで来ている。