秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

明日の日本

衆議院臨時国会予算委員会が始まっている。

昨日は開会前に、委員長が立ち見の民主党議員を審議の邪魔になるからと追い出したことで、民主党の亀井と町村が喧々諤々の口論になった。

町村という人は、前々から固執、我執の強い人だなと思っていたが、自分を何様と思っているのだろう。大臣に向かって、名前を呼び捨てにし、帰れと叫ぶのは、彼がいつもいっている民主党議員の常識のなさを、そのまま自分が地でいっている。

応戦している亀井の方が、まだ言葉尻がやわらか。いくら政権からずり落ちて、野党になって、悔しい思いをしているからだといって、同級生を相手に子どもが喧嘩するような口の利き方はいかがなものか。品格のなさは、麻生政権を影で支えてきた町村派ゆえのことか。

もともと、森派町村派に会長交代で名称が変っただけだから、人を人とも思わない言動は、森ゆずりなのかもしれない。

自分より力のない者に対して、自分の固執、我執を押し付けることに慣れている人間は、いくら人前で、上品さを装っても、苛立ちから、自分の地金をこのように露呈してしまう。自分の身分は国民に信託されたものに過ぎず、議員バッチがとれれば、ただの人だという自覚がないのだ。

自民党の若手議員が質問する横で、監視役のように、ふんぞりかえって椅子にかけ、ああだこうだと野次を飛ばす。それがかつて、政権を支えて来た幹事長のするのこなのだろうか。そうした自民党の人を人とも思わぬ横柄な態度に、国民がほとほと嫌気が差して、今回の選挙で民主党に大勝をもたらしたことが、まったくわかっていない。つまりは、虚心の反省がない。

一方、民主党の鳩山は、誠実、冷静に答弁はしているものの、普天間問題にせよ、国債発行44兆円以下の予算編成にせよ、議論となるような材料を出していない。自身の偽造献金問題は、国会での審議より、検察の捜査に任せるといっているのは、妥当なことで、ここでやらなくてはいけないのは、本当に、今日、いまの日本をどう立て直すかという問題。

内実のない議論をふっかける自民党自民党なら、内実のある議論の材料を明確にしない民主党民主党

しかし、よく考えれば、先の自公独裁政権下で、ボロボロしてしまった日本の内政外交を立て直すというのだから、自民党がふっかけるように、いついつまでに結論を出せといっても、早々に日程を出せるわけがない。状況を精査し、隠されていた情報を掘り返し、問題点と対策を浮き上がらせないうちは、生半可な対応に終わってしまう。

ここは時間がかかっても、抜本的な改革をするためには、時間が必要ということだろう。

だかこそ、この十年に及ぶ、自公独裁政権がどれほど国民生活を逼迫させ、犠牲にしてきたかがわかる。
今朝の報道で、高校新卒の就職内定率が激減しているという。これは高校新卒に限らず、大学新卒でも同じような状況。第二次オイルショック以上の厳しさになっている。

その一方で、トヨタの高級車レクサスが前年度売上げを越え、イタリアの高級車フェラーリがバカ売れしているという。つまりは、社会資本が均等に配分されておらず、持つ者と持たざる者の格差がますます広がる社会構造は、まだまだ、是正されていないということだ。

民主党が柱にしている生活支援のセーフティネットの確立も緊急支援として必要だが、来年度からは、こうした社会構造を抜本から立て直す作業を迅速に進めなくてはならない。

普天間問題にせよ、ダム建設問題に象徴される公共事業の問題にせよ、意見や反論に耳を傾けることは大事だが、毅然とした姿勢で、これまでのパラダイムと違う施策を実施しなければ、政権の存在理由を失う。

国民のための政治とは、だれもが口できるスローガンに過ぎない。人々の痛み、苦渋。この国を覆っている社会矛盾に、しっかりと政治が目を向けなければ、明日の日本はないのだ。