秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

ありがたい不都合

人は、自分の思い通りに事が運ばないと、それは不都合なことだと思う。
 
だが、この世の中、実は、不都合だらけ。思い通りにならないことの方が多い。どんな人にも、親、兄弟、子どもなど、家族のこと、仕事、職場、そこでの人間関係のこと、異性や友人とのことなど、いろいろな不都合を抱えている。
 
だが、考えてみれば、物事、すんなりいかないときの方が、あれこれ思い悩み、他人のこと、自分のこと、すんなりいかない理由やその原因を考える。
 
ときには、それがいままで気づかなかった自分の欠点や愚かさに気づかせてくれることもある。いままで信頼していた人が、それに足る存在ではなかったとか、逆に、こんな人は当てにならないと思っていた人が、実は、義侠心が深く、気概にある人だったとわかったりする。
 
だから、物事すんなりいかないときの方が、実は、人は多くを学ぶことができる。
 
参議院選挙の結果、政局はねじれ現象のままということになった。この不景気の時代に、新しい政策、苦難にある人々を救う政策が、ねじれによって、停滞したり、法案が実現しないというのは、こまる。
 
が、その困る選択をしたのは国民。なんでも思い通りにはいかせないぞと、お灸をすえた結果。だから、そこで生まれる不都合は、政治家ばかりでなく、国民も背負っていかなくてはならない。
 
国際的な信用だとか、マスコミはいろいろにいうけれど、わずか数ヶ月で、コロリと変る。それがいまの日本の社会の姿、政治の実像。それを否定したところで、何も得るものがない。
 
そういう国の、そういう国民のひとりとして、ねじれでうまくいかない一つひとつについて、多くのことを学べばいい。どの政党、政治家が云々ではなく、自分たちが生きるこの国の不都合を、豊かな人もそうではない人も、政治家もそうではない人も、きちんと考える。
 
そんなありがたい不都合をいただいたと思えばいい。