秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

江ノ島ツアー

村娘は、若いということもあるが、驚異の体力と行動力の持ち主。
 
なんでも、加圧トレーナー的にいうと、食事と運動で、体質強化や体力の増強ができるらしい。成長ホルモンを食事、運動によって、より生み出すことで、それは可能になるとか、なんとか…。
 
しかし、奴の元気な姿を見ていると、まさに指導者自らがそれを生活実践しているなと感心する。きっと、生徒さんには、厳しいのなかもしれないが、いいトレーニングを提供している指導者に違いない。
 
前夜、ボロボロによったオレは、奴にいわせると、意味プーなことを口走り、何だ、この人? このおっさん? と思うような、独り言ともつかず、説教ともつかない話を延々していたらしい。
 
ほとんど記憶のないオレは、またも奴の琴線にふれ、傷つけてしまったか! と、ちょい慌て、村娘を外苑のランチに呼び出す。
 
よく考えれば、酒を一滴も飲まない人間の前で酔うのは、実に、まずい。やっとそれに気づき始めた。もう遅かりし、由良之介だけれど…。
 
幸い、気分が悪かったら、今日、ここで会わないでしょ? と、いわれ、ほっとする。断片部分はいくつか聞かされたが、奴のやさしさで、オレの無礼さをきっと、許してくれているだなと、思う。
 
しかし、前日も遅く就眠し、睡眠時間も少なかっただろうに、明るさ、食事を楽しむ元気さは、すごい。オレも奴の歳くらいは、夜型人間だったが、こんなに元気はなかったと思うのだけど…。
 
途中、村娘にOちゃんから江ノ島で遊んでいるというメール。代官山辺りでお茶でもして帰るのだろうなと思っていると、、ふと思い立ったように、江ノ島いこうよ。どうよ?
 
オレも最近は、すっかりわかってきた。奴は、最初にいったことが一番自分がやりたいこと。その後の選択肢は、儀礼儀式に過ぎない。奴の好きな駒沢導線を走り、いきつけの店やら何から観光案内されてつつ、江ノ島へ。
 
七里が浜のカフェへいくのかと思いきや、車はどんどん片瀬江ノ島へ向かう。その辺りで、やっと気づいた。オレがずっと江ノ島へいっていないと話していたのを覚えてくれていて、オレを連れていこうとしてくれていたのだ。
 
ならばと、いつも顔を出す江の島の食事処へ案内する。一年半ぶり。だが、オレのボトルがやはり、とってある。なつかしいおやじさん、奥さん、娘のナナちゃんの顔を見れてよかった。ここまで連れてきてくれた村娘に、ささやかな御礼で桜えびの掻き揚げも食べさせられた。
 
つまみのサービスまで出してくれて、帰りには、店の外まで見送ってくれたおやじさん…。昨年、転移性のガンの手術を受けたと聞かされた。
 
幸い、転移はなかったらしいが、みんな心配しただろうし、不安だったろうと思う。だが、奥さんも、みんな笑顔でよかった。ナナちゃんは、人の良さそうな旦那さんをみつけ、お腹には赤ちゃんがいる…。人の生活がここにはある。家族の絆がきちんと見える。
 
なぜか、家族らしいことを、親らしいことを、子らしいことを、夫らしことをしてこなかった自分の人生を振りかえさせられた。村娘と、語り、遊ぶようになってから、自分のいままでの人間としてのあり方、生き方を振り返らされることが多い。
 
自分はすいぶんと間違った人生を生きている。それが身につまされるほどに、ふと沈黙が襲う。いままで自覚できていなかった、自分の短所や欠点、思慮の足りなさに気づくと、人は苦しくなる。慙愧の思いがそうさせる。
 
そうした気持ちと出会わせてくれる村娘に感謝。奴は、実は、オレなど足元にも及ばない、素晴らしい人格者だと思う。