秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

赤い花白い花

芝居らしい芝居を書いたのは、確か20歳の頃。
 
後輩のために書き下ろした『あの河を泳ぎ抜け』。処女作、デビュー作で、創作脚本賞を受賞し、それが、オレが舞台の世界に本格的に突っ込んでいくきっかけになった。
 
その中の挿入曲として使った曲。学生運動で亡くなった恋人が、いつも口ずさんでいた歌という設定。回想の場面、この歌声が遠く聞こえて、彼女と最後に会話を交わしたシーンに時間が遡る。
 
それだけでもわかるように、演劇であるが、非常にテレビドラマ的、映画的な内容で、わかりやすい芝居。
 
当時は前衛演劇華やかりし頃、その中であえて、博多弁を使った。その芝居を同年代で観たのは、中学時代からの同級生で、オレの思春期、青春期のマドンナのような女性。なぜか、観劇してくれた。
 
だが、それから数年後、オレの舞台は大きく変っていった。そして、彼女とも音信は途絶えた…。
 
生まれて始めてのプロポーズは彼女。若気の至りで、後先なしの強引さで見事にふられた。