秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

ファッションのこと7

志賀さんには本当によく心を砕いてもらった。

そのおかげで、それまで自分では決してチョイスしなかったような服にも興味を持つようになり、また、

いい歳だからと視線からはずしていた服にも関心が生まれた。

そして、いつか、どこか人の視線を評価を気にして、年上の人間やクライアントなどの出先に顔を出すと

きは、ネクタイにスーツ、さもなくば、ジャケットを羽織っていないとどこか不安だった自分が変わって

いた。

身だしなみは大事だし、社会人としてのマナーとして、スーツを着こなすのはいわば常識という面は、確

かにあるのだが、また、それが相手に対して安心感や信頼感を与えるものだというのはわかっているが、

それでなければ、自分という人間をきちんと評価してもらえないかもしれないという不安を抱くことは、

いいことではない。

清潔感ははずせないが、自分はこういう人間だというきちんとした主張をする道具としてファッションを

とらえることも必要だし、自分が自由に着用している服で自分という人間がいい加減な奴と思われるので

はないかと疑心暗鬼になるというのも、自分に対して自信がない証しなのだ。

社会常識というのは、時として人の個性や特性を殺すものだし、自由な発言をはばむ。

他人がどう思うかは別に、自分なりのファッションへのこだわりを示すということは、ある意味、自分の

考えや発言に対する主張と同じことなのだ。

服装への固定観念から自由になると、意外にこれまで遠慮して言えなかったことやこれをいうとやばいか

らやめておこうとしていた、自己規制からも自由になれる。

いい加減なかっこうはいけないが、固定観念や自己規制から自由になるために、これまでの自分のファッ

ションを見直すのも必要なことなのだ。

自由であろうとするとことは、この国、この社会ではとても大変で、つらいことだけれど、自由であるた

めの闘いがない人間は、魅力がない。