秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

夢多き、少年たち

心に願うこと、思うことがあると、それがきちんとした現状分析と行動、そして、行動原理といってもいい理念を持てば、それを叶える人や出来事との出会いが必ずある。

私は思春期を過ぎ、青年期に差し掛かる頃からそう思ってきたし、現実に、そうした体験を経験してきた。

ただし、確かに、これを、このように、こうした願いのもとに…という深い思いがなくてはいけない。それが緩いものや少しの困難でぐらつくようなものであれば、決して、そうはならない。

この4年、私は、偶然とはとても思えない、福島や福島にかかわる人たちと出会ってきた。その数は、おそらく、それまで芝居や映画、仕事で出会った人の数以上だ。

あらかじめ決められていたような出会いもたくさんもらった。

出会いを出会いで終わらせない秘訣は、その出会いを自分だけで終わらせず、出会いと出会いを紡ぐことだ。いまでいえば、ネットワークさせていくことだ。

舞台でも映画でも、俳優と俳優の出会いが化学反応を起こす。演出や監督という仕事は、この化学反応を触発する仕事といってもいいほどだ。

いまでは、事前にキャスティングという、コンビネーション、コーディネーション、アンサンブルを生業とする仕事が独立してある。これも、台本、脚本をより生かすために俳優同士の化学反応をどう誘発するかにポイントがある。

なにごとかを実現するためには、自分自身が主役であってはならない。いい演じ手を掘り起し、それを生かすために、どういう役柄がよく、どのような他の個性とぶつかればその魅力が発揮できるか…それを考えるところにある。

主役は演じ手であって、演出でも監督でもない。構築するための主役ではあっても、多くの人々の視野にとまるのは、彼らでなくてはいけない。

昨日、急きょ、いわきへ向かった。いい演じ手がみつかり、その演じ手と違う個性、特技やこだわりを持つ別の演じ手。そのつながりをつくるためだ。

翌日の今日は、郡山へ向かい、その演じ手を生かす場とシステムを持つ、責任者の方にいい演じ手がみつかった話をした。すると、あらじめ約束していたかのように、私と同じことを担当の責任者の方は計画していた…。

あらかじめ決められていたように、企画がまとまり、作品が出来上がる。舞台でも、映画でも、イベントでも、創造という行為には、それが不可欠。

少年たちの新しい夢の実現…。だが、夢はすぐには実現しない。幾度も試練や困難、苦境を経験しながら、唯一、あらかじめ決められていたような出会いの感触と喜びだけに支えられながら、いくつも、何度も挑戦する最後に、夢の実現はある。

支えるのは、夢多き、少年であることだ。