秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

メリー・クリスマス学ちゃん

昨年のクリスマスが終わった翌日、当時メンバーだったNさんがメールをくれた。
 
昨年末12月最初の週末に実施した第2回福島応援学習バスツアーの報告に、年明け、学ちゃんの病院へ報告とみあげをもって、見舞いにいこうと思っていた矢先のことだった。
 
Nさんからのメールは、学ちゃんがクリスマスに亡くなったという連絡だった。
 
だが、どこかで、そういう知らせが来るかもしれない…そう予感もしていた。
 
ツアーに向かう数日前、「監督、歩けなくなりました。でも、負けません」という短いメッセンジャーをもらっていたからだ。
 
もう時間が残されていない…私は、そのとき直感していた。返す言葉がみつからず、いいねサインを送るのが精一杯だった。
 
その10か月前、がんが発症していることがわかってすぐ、病院に見舞いにいったとき、五分五分だと感じた。そして、見舞いにいくたびに、それが、限りなく劣勢に傾いていることを学ちゃんの様子から感じていた。
 
Nさんからメールをもらい、その夜はひとりで痛飲した。
 
何度か、学ちゃんと二人だけでいったハンナだ。ばばあが、突然、だれか来たといって入り口をあけにいった。その時、私は、いつもの白いステンカラーのコートを着た学ちゃんが入り口の向こうに見えた…
 
おかしいわね…だれもいないと戻ってきた、ばばあに、私はグラスをもうひとつくれといい、隣りの席にそれを置くと、酒を注いだ。

「今夜は飲もうぜ」、そう心の中で学ちゃんに声をかけながら…わずかな酒で酔い、いつか心の中で学ちゃんと会話していた。
 
わずかな酒で酔っぱらい、部屋に戻ると、ベットの上で嗚咽した。心配して電話をくれた仲間もいたが、とても電話に出られる状態ではなかった。

偶然に、今日は未明から、ある仏教施設での年数回ある御給仕のお役をやっていた。日程、今日と決まったときから、少しでも学ちゃんの供養になればと思っていた。

学ちゃん。Smart City FUKUSHIMA MOVEは、資金もなくて、まだまだ改良や改修をしていかなくてはいけない状態が続いている。

だけど、今回の第3回福島応援学習バスツアーの実施を通して、県物流課や東京事務所、ふくしまFMなどが、それがあることで、一層、オレたちの活動への評価を高くしてくれているよ。

県の助成や応援が来期からは本格化する気配が見えてきている。港区でやろうとしている事業も、学ちゃんが道すじをつけてくれたSmart Cityのおかげが大きい。うちの目に見える、唯一の財産だからね。


お子さんやご家族のこと、仕事のこと、いろいろな無念があるだろうが、男としての悔しさはいっぱいだろうが、少なくとも、学ちゃんの思いは、いつもオレとある。みんなとある。

オレたちは、決して学ちゃんのことを忘れない。メリー・クリスマス。学ちゃん。