秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

男たちの飲み会

新宿の旧コマ劇場裏。もう相当年季の入った雑居ビルの中にその店はある。
 
古民家の内装をそのままに復元した室内は、ここが新宿か?と思わせる。経営者の女将さんやスタッフも、凛としていて、歌舞伎町の雑居ビルの店とは思えない。
 
昨夜は、そこで、15年ぶりに、地方赴任から東京に戻った、クライアントでもある仲間、男3人で酒を酌み交わす。久々の忘年会。
 
彼らが東京にいた頃は、年に何度か、こうした集りを持っていた。この店も新宿で集まるときは、通っていた店。25年前、うちの事務所のアシスタントをやってもらっていた、500ccのバイクにまたがるイケてる女性スタッフが教えてくれた店だ。

25年になるが、仲間が地方転勤中は、すっかり御無沙汰していた。

30代中ごろから40代初めまで、あれこれ新しい事業をいくつか彼らの力をえて、立ち上げた。宮台真司氏や尾木直樹氏、齋藤環氏と始めた、「生きる力を育
む教育シンポジウム」、ネットに開設した、超教育ポータル「OUT」…。

彼らの力添えや協力がなければ実現できなかったことは他にも多い。私の社会貢献事業や活動を支えてもらった仲間だ。

いま、その団体でも福島への支援事業を開始した。私がこれまでの活動から大きく方向をかえ、かつ、より現実感のある活動へと転換しようとしている時期、折しもそれと重なった。
 
だが、私の活動が震災直後からスタートしていることもある。彼らが始めようとする活動については、まだ実状認識のかなりの段差がある。昔のように、それいいね!で簡単に進む、立場でも役職でも、互いになくなった。

折よく、スコットランドから来日して2年という男性と日本人女性のカップルが囲炉裏に座り、なんとなしに会話をするうち、マッカラン、ボーモア、ラフロイズの話題に。
 
そんな戯言をはさみがらでないと、福島ひとつでも意見の分かれ目が見え透く。それをわかってる、大人のちょいとえらくなった男たちの飲み会。


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