秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

いつも遠くにある…

昨年の3月から8月…私は、福島県内を走り回っていた。
 
トヨタ財団の助成を受けてスタートした「Smart City FUKSHIMA MOVE」のデータ取材と告知、協力のためだ。その訪問先の多くは、2012年の「福島東北まつり」で出会った地元のみなさんたちや協働してくれた他のNPO、とりわけFUKUSHIMA KIZUNA PROJECT代表のNさんに紹介された団体だった。

毎年実施している「福島応援学習バスツアー」もこの縁をつないでいく形で実施してきた。
 
だが、昨年末から今年8月まで、支援事業の一環ではあるが、短編映画「みんな生きている」の制作と福島での上映試写会、いわきの海鮮加工販売に従事する、いわきMOVEメンバーの会社のCM制作などで、中通り会津へ足を運ぶことができないでいた。
 
以前、このブログでもふれたが、地道な福島支援者の輪をつくろうという「福島応援学習バスツアー」を知った、郡山の有名ホテルの総支配人のMさんがメールをくれ、そうしたツアーを独自に組みたいので連携していこうと声をかけてくださった。
 
その計画はうまくいかなかったが、その後、営業支配人のIさんが度々、乃木坂を訪ねてくださった。これまで郡山地域に深くかかわっていなかった私に、郡山周辺農家の実状や風評被害打破への取り組みを熱く語ってもらい、ぜひ、郡山もMOVEの支援協働事業の輪の中にと、誘われていた。

昨年来の約束がやっと果たせる。

何度もいっているが、いま福島、そして、私たち都会で暮らす者、他県にいる者が目を向けなくてはいけないのは、浜通りでも水産、水産加工にかかわる人々とその地域文化の再生だ。そして、農産に関しては、大規模公共工事原発事故補償の手当ての薄い中通り地域だ。
 
また、郡山、福島、会津においては、よりローカルな地域へ人々の目線を向け、自然環境保護を前提とした地域づくり、自然エネルギーに着目した地域づくりの取り組みを広く知らせることだ。

3日からそのすべてではないが、これまでで最長の5日間連続で、中通り浜通りを回る。まだまだ、それでも足りない。だが、まずは、最低限、ここはというところを、私ひとりで回る。

電車移動が楽なのだが、欲張りな私は、映像取材もやっておきたいと考え、5日間、さすらいの福島一人旅ドライバー&カメラマン&取材記者と決め込んだ。

その事前の準備や持っていく企画書作成、連続で本業を抜けるため、その善後策と慌ただしい。

こんな風にやれるのも、きっともうそう何度もない…そんな気がしている。

いつかいったかもしれないが、支援や取材、あるいは仕事ではなく、ぼんやり、のんびり、檜枝岐村の歌舞伎を見たり、大内宿の民宿にとまり、只見の自然林の中で深呼吸してみたい…
 
中之作の古民家に泊まり、あるいは塩屋崎灯台から、ずっと海をみつめていたい…

たぶん、そんなことはできないまま、私は終わるような気がするw きっと時間ができたら、また映画や芝居に明け暮れて、遠い夢に終わる。

私の好きな韓国映画にこんなセリフがある。「ぼくの愛するものは、いつも遠くにある…」