秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

Move Girls

いろいろな意味で、人には初見から印象深い人というのがいる。
 
オレの演出論の言葉を使うと、これは空間占有の力だ。人には人それぞれに、それまでの人生でつくられてきた、「佇まい」…というものがある。

その多くは親やまたその親など、先天的、遺伝的に与えられたものが多いが、初見からの印象深さというものは、それだけではつくられない。

人生の過程で身につけてきた知識や情報の質、学んできた、他者との関係の取り方=他者性をどう生きようとしているか。他者性を生きることに巧みであるか。つまり、その人の内実がどれだけ他者に開き、他者に関心を持たせる力、Something=魅力があるかどうかだ。
 
他者の視線と視線の奥にある心理にどれだけ敏感であるかどうかといったことも大きい。その意味で、空間占有は、俳優の場合、男優より、男性の眼にさらされることの多い、女性、つまり、女優の方が有利なのだ。

6月から始めるSmart City FUKUSHIA MOVEの取材ととりまとめに忙殺されているが、これにリンクして同時スタートする、インタネット配信のMOVE放送局の立ち上げも迫っている。
 
一昨日、あるプロダクションがMOVE放送局のキャスト(アシスタント・キャンぺーンガール)に女優・タレントさんの周知を兼ねて、協力してもらうことになり、面談することになった。
 
当初予定では2名の方にお会いする予定だったのが、仕事熱心なマネージャーさんが主要メンバーの女優、タレントさん5名も同行してくれた。
 
芝居の力量は未知数だが、それぞれに個性豊かな方たち。モデルやアイドルの仕事をしてきた方もいて、多くのテーマが堅くなりがちなMOVE放送局にゆるさやゆとり、明るさを添えていくには最適な方たちばかりだった。
 
それぞれ福島の実状を下調べしてもらっている。だが、彼女たちに期待しているのは福島通になってもらうことではない。素人の素直な疑問、質問だ。また、それぞれの出身地がかかえている生活課題についても、若い世代からの眼でふれてもらう。

その中で、本筋やテーマではない、彼女たちの魅力、Somethingが引き出せ、人々が彼女たちを通して、福島、地域、国のあり方、若い世代のこれからについて、関心と興味を持ち、考えるきっかけにしてくれればと願っている。彼女たちと一緒に、MOVE
が目指す市民ネットワークを育ててくれればいい。

時代はインターネットへ、SNSへと急激に加速している。日本はまだ遅れているくらいだ。そのせいか、コンテンツビジネスでの成功事例紹介や分析があちこちで盛んにおこなわれている。

確かに戦略的、戦術的である必要はあるし、Webの世界にはWebの世界のルールや常識というものもあるだろう。だが、それは信頼できる専門技術スタッフにまかせればいいと思う。
 
それより大事なのは、Webの生理を理解し、理屈ではなく、その生理を身体的に実現していくことだ。
 
人の佇まい…というのは、理屈や技術だけでつくられるものではない。えられた知識や情報、体験を内に留めるだけではなく、身体空間へと、つまり、現実へと持ち込むによってつくられる。
 
彼女たちの身体性をつかって、彼女たちのSomethingでつくる世界…直感ながら、それができるだろうと思った。いつもいうが、初見で会って、初めて会ったような気がしない人たちは、きっと何かの縁につながっている。

きっと彼女たちとは、長い仕事の付き合いになるのだろう。




イメージ 1