秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

試練と修行は続く

いまのままではいけない…これまでと同じではいけない…。そうしたことに思いをめぐらし、今年はあれとこれを改めよう、今年は片付けられていない、これとそれをやってしまおう…そんなことを考え、振り返り、誓いと決意を持つのが正月だ。

無邪気に正月を待ちわび、楽しめたものから、仲間と飲食を共にし、なつかしい顔に出会う喜びから、恋人との時間を楽しむものから、子どもの毎年の成長の変化を喜ぶそれから、歳を重ねるほどに、正月はそうしたものに変わっていったように思う。

正月のある日から、突然に人が変われるわけではない。神に頭をたれ、そのときだけ心を静謐にしたからといって、簡単に悔い改めることができるわけでもない。だが、一年に一度、そうした気持ちになり、身を糺そうとする上では、大事な年中行事のひとつだと思う。

厳密にいうと、一年の気は、実は節分で変わる。旧暦の正月までは昨年の気の流れの中に人はいる。年明けがくるのは、節分以後なのだ。時候でいえば、小寒・中寒・大寒と寒さが次第に厳しくなり、大寒が終わった翌日が節分(正月)となる。

人は、厳しい寒さに身をさらし、心を鍛えてこそ、新しい年への気構え、態度が身につくという教えかもしれない。

年始早朝から仏教行事のお役が当たり、今年は節分まで気をひきしめて過ごそう。そんな思いで年を一人で越した。そんな気持ちで、2日の午前中、寒川神社へいくと不思議なことが起きる。

乃木坂から寒川までは、結構時間がかかる。それが乗り継ぎがとんとん拍子。海老名駅に降りると、出発直前の直行バスがいる。寒川についてみると、時間のせいもあったのか、いつも社殿でお祓いを受ける人の列が一時間待ちは当たり前なのに、異常に少ない。

時間がないので、毎年、地下にある仮社殿で御札とお祓いをしてもらうのだが、ここも待たずに順番になった。しかも、仮社殿のど真ん中、一番前でお祓いをしてもった。気候も寒いかと思えば、ことのほか暖か。

だが、寒川神社前にある有名な団子屋でみあげを買い、相模大野の家に半年ぶりに帰ると家人はいない。デートから帰った息子と仕事から戻ったかみさんと夜、質素の正月。

息子の秘蔵のモルトウィスキーを半分以上空け、いつもつまらず、観ないテレビ東京時代劇、今年は「白虎隊」というので観たが、これが本がいい。なんだ、ジェームス三木じゃないか、人の造形が丁寧なのは当然だ。こうでなくちゃ…といいながら、爆睡。

家人が起そうとしたがびくともせず、正月家での目覚めは、ひとりフローリングのリビングの床の上…w そう甘くはない。まだまだ試練と修行が続くw