秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

見極めと冷静さ

昨日は朝から福島市へ向かう。同行してくれたのは、MOVE事務局長のSさんといわきビジネス復興協議会の事務局長で、㈱いわき福島復興オフィス社長のIさん。
 
午前中、福島市観光課にIT事業についてのオリエンテーションと協力要請のため、午後の予定の一足先に、「福島・東北まつり」でお世話になった観光課の方々と課長さんに時間をとっていただいた。
 
ランチをしてからと、目の前に飛び込んだ、ちょっと古びた感じの中華屋に誘われる。「こういう店は仲間の社労士のIさんが好きそうな店だ」「きっと大盛りに違いない」と同行の3人が異口同音にそう思った…が、しかし。オレとIさんが頼んだ中華丼が超まずいw
 
一食損をした気になりながら、みんなで、いろいろなことを妄想させた社労士のIさんのせいにするw

午後から、トヨタ財団助成金贈呈式。昨年の夏過ぎ、事務局のSさん、Hさんがこれならと進めてきた助成金。いわきビジネス復興協議会でMOVEで役員もやってもらいっているOさんにも力添えしてもらった。
 
手違いで書類の提出日まで2日ほどしかないことがわかり、「福島・東北まつり」の仕込みで時間のない中、眠る間もなもなくつくった申請書。
 
財団の担当の方からご指導とご教授をいただき、なんとか助成対象にこぎつけた。助成のつく方向でと心を砕いていただいた担当のSさんやスタッフの方々に感謝。
 
同じく助成を受けた団体はほぼ福島県内の団体。しかし、取り組む事業はそれぞれだが、いずれの団体も、やるべきは連携であり、協働による相互支援、相互扶助の考え方だ。
 
今朝のFBでも、少しだけ書いたが、今般の選挙を見てもわかるように、個々の市民、国民の声をきちんと政治や制度、行政のしくみに反映させるシステムがこの国にはできていない。
 
これまでの面を主体としてとらえる政治的、行政的手法では、人々の考えや思いがいろいろなところに反映されない。大量生産大量消費時代の画一性、均一性から、個の多様性に対するグルーピングによる対応。そこまではなんとか、この国は凌いできた。
 
だが、個の多様性がもたらした、弧衆化へのカスタマズには対応しきれていない。
 
それがあからさまになったのは、東日本大震災だ。いつもいう、被災地はひとつではない、被災者も同じではない。ひとりひとりに事情や都合、感情があり、その受け止め方は個別的で、点でなければいけない…何か一つの悲惨がすべてを代弁し、象徴するものでもなく、何か一つの回復への成功事例がすべてに通用するわけでもないのだ。
 
現実に、自民党への投票数は前回選挙より減少し、かつ、無党派層の投票行動にいかなった人々の大半が自民党を支持していない。それでいながら大勝という結果が出る。対立軸となるべきものがすべて瓦解しているという他の政党、政治家の腹の座り方の足りなさもあるが、制度的にそういうしくみになっている。
 
つまり、弧衆への対応が、現行の制度では、できていないのだ。それを阻んでいるのは制度はもちろん、弧衆へ届く情報ネットワークやつながりが不足していることがあげられる。被災後の地域や人々へどのような支援や協働ができるかを真剣に考えれば、既存のマスコミや制度がつくったネットワークがいかに無力で、平準すぎるがゆえに有効ではないということは明らか。

それを越えるために連携や協働が必要ということを他の団体も痛感していた。それゆえに、オレたちMOVEの提言に強い興味を持っていただけたのだ。
 
もう一度いう。

被災地はひとつではない、被災者も同じではない。ひとりひとりに事情や都合、感情があり、その受け止め方は個別的で、点でなければいけない…何か一つの悲惨がすべてを代弁し、象徴するものでもなく、何か一つの回復への成功事例がすべてに通用するわけでもない。その見極めと、冷静さが、本当の意味で、次の地域、次の国のあるべき姿をつくっていく。

写真は贈呈式でのプレゼン。また、腹が出てきた…いかん。
イメージ 1