秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

いま必要なこと

ある人にとって、つらい仕事が、ある人にとってはやりがいのある楽しい仕事だったりする。
 
ある人にとって、つまらない仕事と思っているものが、ある人にとっては、毎日が楽しく、ありがたい仕事だったりする。
 
その違いはどこからくるのだろう。
 
道徳的なことや宗教的な説諭を語るつもりはない。簡単なことだ。その仕事がその人にとって、使命と思えているか、自分が果たす役割と自覚しているかに過ぎない。
 
思えてないこと、自覚していないことが悪いともいわない。思えなくしているのも、自覚していないものも、ひとり自分だけの問題ではないからだ。
 
ある人にとって、つらい仕事がある人にとって楽しい仕事であるのは、本人の問題だけではなく、自分がそうなれる何かが仕事の場や人間関係、組織のあり方の中になくてはいけない。
 
仕事を楽しめるのようにするんだよ…とか、つまらない仕事なんて、この世にはひとつもないのだぞ…とかいってみても、つまらないと思ってしまっているものはつまらないのだ。楽しめないものは楽しめないのだ。
 
それを大人は贅沢なことだというだろう。仕事のない人たちのことを考えてみろと説教するだろう。あるいは、どんな家庭に育ったんだと揶揄するかもしれない。
 
心に届かない、倫理や道徳がいかに無力かをそうした大人は知らない。大切なことは、ありがちな説教ではなく、じゃ、どうしたら楽しめるようになるのか、どうしたら、つまらなくないと思えるのか、それもできないなら、何を次に目指せばいいのか…の解答ではなく、きっかけをつくっていくことだ。
 
結論ありきではなく、あっちにも道がある、こっちにも道があると、自分という人間が生きられる場と空間、そして時間がきっとあるのだと思わせてあげることだ。

いまオレたち日本人に必要なことは、そして、福島に必要なことはそういうことだ。