秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

曜日のまちがい

朝起きて、その日の曜日を忘れているということはないこともない。
 
だが、今朝は、すっかり月曜日気分。東映での打ち合わせのあと、東映との合同プレゼンがあるから、今日はスーツでなくてはと、いつものように部屋の掃除をしてから、スーツに着替え、必要な書類をピックアップしてようとして、日曜日だと気づく。
 
こうしたことは、じつは、オレはほとんどない。いや、初めてかもしれない。18日まで日程が詰まっていることもあって、すっかり、気持ちが先にいってしまっていた。
 
ひとり、苦笑い。そして、一日得をした気分になる。勘違いしている間、あの書類をファックスしなくては…あそことあそこにメールを入れておかなくては…と、外出までに時間がないことに焦っていたのに、その作業を日曜日に回していたことを忘れている。
 
仕事の忙しさというのはいろいろある。だが、自分ひとりの作業ですむことであれば、それほど気は急かれない。急かれるとしても、まだ、コントロールがつく。だが、人との折衝や組織や集団の動きがからむと、こちらだけでコントロールできることではない。その分、気が急かれる部分も出る。
 
しかし、その緊張感は必要なものだと思う。とりわけ、自分一人の問題ではなく、組織や集団のひとりとして動くとき、これは重要なことだ。
 
MOVEという団体は、決して縛りや義務が強い団体ではない。組織として、専従者がいるわけでもなく、どこか大きなスポンサーや企業に支えられ、そこに対して、報告義務があるわけではない。
 
だが、MOVEとして仲間があつまり、発足した段階から、団体としての清潔さ、社会貢献事業に取り組む団体としての矜持や責任を引き受ける気持ちでいた。そこにいろいろな人が参加してくださり、できる範囲で役を担っていただく中で、それは不可欠のことだったからだ。
 
また、いわき市を始め、多くの自治体、多くの団体と連携し、中心的な役割を担うには、それは絶対条件だと考えてきたし、いまもそう思っている。少しづつだが、MOVEという団体が福島県の人々に知られる中、それが汚されたり、傷つくことはしてはいけないし、また、メンバーにもしてもらっては困る。信頼してくれた人々を失いような行為やふるまいがあってはならない。
 
みんなで、いえーとやっていればいい団体ではなないのだ。
 
だが、そのために、個人の思いが拾ってもらえないと、去っていく人や不満を感じる人はいるかもしれない。しかし、個人の思いだけで、社会的存在として認知されていくことはできない。NPOといえども、事業計画や将来ビジョンを問われるように、その団体の質と内容が社会的評価のすべてを決める。そこには清潔さが必要なのだ。

歩き始めたばかりの団体は、いや個人においても、社会からどう見られるか、とらえられるかに配慮し、努力を積み重ね、時には自ら物理的、精神的負担も引き受けながら築くものだ。そうでない人は、清廉さを求める団体にはふさわしくはない。
 
いろいろな人がいていいが、その一点だけは守り抜かなくては、これまでのわずかな積み重ねも、これから進もうとする道も拓けていくものではない。
 
気が急く、曜日の間違いも、そんな思いから生まれているのだ。