秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

ただただ…感謝

東映から頼まれていたコンペ企画の提出が終わり、たまっていたMOVEの作業を順番に片付ける。
 
出店団体や市民参加団体の状況確認もあれば、それを受けて作成作業に入らなくてはいけない、告知用のフライヤーやポスターの制作作業が待っている。合わせて、パブリシティを始め、広報宣伝活動の方も。
 
が、時間的に優先するのは、今回のイベントへの寄付、協賛、応援。それに協力、賛同する方の会員やサポーターとしての参加。小口協賛と寄附の協力要請をできるだけ多くの方にやっていただくのがいい。ということで、FBでいつも声をかけてもらっているみなさんにDM(FB専用メール)を送る。
 
実は、ちょっと躊躇していた。顔を合わせたこともない方に、いくらまじめな話から冗談を含め、交流があるとはいえ、MOVEの活動の助力をお願いするのだ。遠慮がないわけではかなった。ところが…。お声をかけた方の中から20人近い方が、それぞれできることで協力します…というコメントをくださった。
 
中には、ご本人がさっそく寄付金を振り込んでくださった。また、告知や応援しかできませんがとわざわざお知らせくださった方もいる。寄付をお願いしてはいなかったのだが…
 
こうしたDM。不愉快に思う方もいると思う。しかし、その中で、捨てておくのではなく、こうして賛同と協賛をいただき、かつ、ご自分の都合までお知らせいただける…なんと、ありがたく、幸せなことなのだろう。
 
MOVEの発足時はリアルつながりのある仲間を軸に、FBをやっていなかった連中には、連絡業務がとりやすいからと参加を呼び掛けた。だが、その後、MOVEのメンバーやサポーターとして参加してくれたのは、すべてFBで知り合った、顔も合わせてなかった仲間や会ったとしても数回の仲間たちだった。
 
そして、いま、MOVEの活動をFB上で必死に告知しているうちに、こうして、メンバーでもない方、顔を合わせていてもいない方たちが、協力の声をあげていただける。
 
オレが信じている、新しい社会ネットワークの姿とそれが現実のつながり以上の力を持つときがくるという確信。それを改めて教えていただけた気がした。
 
秀嶋の考える被災地支援を軸とした市民主役の交流情報ネットワークは、その姿がよく見えない、協賛してもらえるところがない、その構想が難解だといわれる。だが、オレは、こうした経験を通じて、次の時代の社会が、決して現実空間だけのつながりや広がりではない時代が来ると確信している。
 
政治的なスタンスや社会に対する見方、あるいは生活のあり方、かかわっている仕事…それらがどんな違っていても、互いが協力できることを持ち寄り、少しでも社会や地域、困難にある人々のためにできることをやる。そこに、お仕着せの思想信条やこれまでの社会の枠組みではできなかった、市民協働の社会をつくることは可能だと思う。
 
いろいろなものがこの20年で終わった。そして、いまも終り続けている。日本では今度の震災が現実の形として、それを示した。終ったことで何を学び、終わったことで何を反省し、そして次に何を生かすのか。もう、これ以上、理不尽さや不条理さに人々がさらされない社会をつくるのに、頑なさがどれほど役に立つというのだろう。
 
思いや願いは違っても、思いや願いがあることのすばらしさの方が幾倍も大切。その思いと願いを、数珠玉のようにつないでいきたい。対立や主張をこえて、人はつながれるのだということを、示したい。そういう自分でありたいし、そういう世の中であって欲しい。
 
その思いを深くした、ありがたいメッセージの数々。ただ、ただ…感謝。ありがとうございます。