秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

気遣いのインテリジェンス

金曜日の午前、霞が関で打ち合わせのあと、銀座で東映の室長とランチをして、その足で羽田へ。空港で、女優のKとマネージャーのSさんと合流し、徳島へ向かう。
 
徳島に初上陸の女優のKを気遣ってか、夜、阿波鶏、阿波牛も食べられるちゃんこやで、いつもお世話になっている理事長さん、専務さんたちから御接待を受ける。その後、当然ながらというか、厚かましくもというかw このところ、徳島へ行く度に、連れていってもらっている、ラウンジ「千代」へ。
 
ここには、女優のKも感動していた。東京で打ち合わせのときから、散々、いい店と宣伝しておいたこともあるが、実際、女性でも居心地のいい店。基本、雰囲気のあるいい店というものは、そういうものだ。

土曜日は午前中の時間を縫って、眉山へ案内してもらい、午後から映画の上映会とトークショー徳島市在住のFB仲間のNさんも後方の席に座ってくれているのがわかった。感謝。
 
前回、東日本大震災を取材したオレの作品を上映し、トークショーをやってくれた、徳島市郊外のつるぎ町のみなさんもわざわざ駆けつけていただいていた。おかげでというか、女優K効果というか、1年半ほど前、同じ会場で、作家の宮崎学氏とトークショーをやっていたときより、参加者が多いw

移動中、夜の飲み会の席、機中で、あれこれ取り留めもなくKやマネージャーのSさんたちとたわいもない話をしていたが、ふと、Kが出演したある映画を思い出して、オレのワークショップに参加し、うちの自主作品や東映テレビの看板ドラマ「水戸黄門」に出演させたことにある、女優のWのことを話すと、やはり、よく知っている。同じワークショップにいた、男優のNのことも。
 
CXの高視聴率ドラマのほとんどに関わっていた友人のプロデューサーSの話をすると、マネージャーのSさんが食いついてくるw
 
よく、いろいろな人にいわれることだが、映画の世界にいながら、結構テレビ関係者に知り合いがいて、テレビドラマの企画に関わっていたりする。かつ、人権などという堅い作品ばかりをつくっているかと思いきや、意外に違う作品をつくっていたりする。でいながら、舞台をやったり、社会イベントの企画やプロデュースをやり、宝島など出版社から本なども出しているものだから、なお、わけがわからない。
 
トークショー終了後、県の人権課のある方に声をかけれ、いろいろな刺激を受けて参考になりました…とお褒めをいただいのだが…。「ところで、監督は、いつからこうした社会問題や教育に関心を寄せるようになったのでしょうか?」と問われてしまう。専務のAさん、女優のKからも、どういうこところから情報をえてるんですか?…
 
むむむ…。そういわれても…。
 
オレたちの世代、まとにも思春期、青年期を生きていれば、どうしたって世の中に眼を向けずにはいられなかった。同時に、その中に身を置きながら、感じていた違和感や異質さといったものがあった。そうした葛藤を生きている中で、おのずと身についた視点、視座というものがある。
 
また、オレは、ひとつことしかできない…という生き方や生活が向いていない。ある確信と信念に準ずるものであれば、表現形式にはこだわりがない。どのような手法であれ、自分の視点、視座、あるいは知識や情報が提供できる場面であれば、なんでもいいのだ。
 
といって、何でもやっていると、当然ながら、いろいろな世界の人間と出会うことになり、かつ、いろいろな知恵や知識、情報をえられ、かつ、興味や関心が沸くから、学習もし、経験も積む。それが、また、ほかのことにもつながり、総体として大きなふくらみを持つ。
 
インテリジェンスというのは、そうしてつくられるものだ…とオレは思う。
 
今回も大変お世話になった、理事長のFさんは、そんなオレが持つものをうまく引き出し、実にうまく使っていると思う。ある意味、編集者のような立場。インテリジェンスとかかわる…というのは、編集者の側にもインテリジェンスが求められる。
 
逆の立場での経験の多い、オレにはそれがよくわかる。ストーリーは、実は編集者がつくっている。だが、そのストーリーや器に許容の大きさがないと、インテリジェンスは華開かない。それはある意味、気遣いのようなものだ。

今回はオレばかりでなく、女優のKやマネージャーのSさんにもいろいろ気遣いと腐心をしていただき、感謝。さすがに、今回は、疲労度が多きかったのでは…と心配する。
 
とはいえ、やはり、ここはあつかましくも、次の新作を…と叱咤するのが礼儀というものだw