秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

弱さを克服する協働を目指す

「大いわき祭」…やはり、11月に延期してよかったと思う。
 
季節的には外でのイベント時期のギリ。しかし、港区からのテント8張りの支給を軸に調整するしかない現状ではやむえなかった。10月下旬は東京では防災訓練のまっさかり。テントを全部抑えるには、そこしかなかったのだ。
 
そうした条件はあったにせよ。延期したことで、全体会議も持て、まだ調整や意志疎通が必要な面は残されているにせよ、なんとなく意識を共有する方向へ進んでくれていると思う。いわき市の観光課や商工会議所など窓口も一本化へ動いている。
 
また、MOVEには、あらたに参加してもらえるメンバーも現れ、その方たちが、今回ばかりでなく、今後、MOVEが目指す世界に有用で、重要な役割を果たしてくれそうな予感をくれている。
 
昨日はAさんと朝から仏教行事に参加し、そのあと、食事をしながらいろいろと話ができた。青山の名物祭りになっている郡上八幡祭りの実行委員会のメンバーも紹介してもらい、港区関係で詰めておきたいことの多くの確認作業とイベントについての意志疎通もできたと思う。
 
事務所にもどってしばらくすると、設営の責任者になってもらっているTさんとTさんがどうしてもこの人物を絡めておきたかったというSさんが来訪。コストのかかるPA関係と前々からできればやりたいと考えていた、「大いわき祭」のライブ配信の件を自分の会社のスタッフと協議してくれることに。
 
同時に、PRで協力をお願いしているYさんから、破格のPA器材提供のプランがメールされてきた。二つの対応方法があるといのは、実行する側としては心強い。

そうした資料をもとに、前回会議に出席できなかったSさんに、MOVEの活動趣旨を説明すると、Sさんがやっている事業にリンクできるところが実に多い。30歳で20人もの社員を抱え、起業家として精力的に活動している若い人の力はまぶしい。

延期になってから次々と人が来訪し、MOVEの活動について直接説明を聞きにきてくれる人、役割分担した結果、それぞれの担当部署同士で相互につながり合おうとしてくれる人…気働きをして、人を集め、イメージしているイベントにジグソーパズルのように人を配置する人…いろいろに動き出している。

被災地では復興、復旧へ向けた取り組みが新しい課題にぶつかっている…
 
とテレビ報道も、識者も、そして、MOVEのメンバーで被災地出身者や在住者から声があがる。
 
オレは、復興、復旧という言葉は、実は、適切な表現ではないと思っている。現状が立ち行かなくなり、機能しなくなった。それは震災と原発によるものだけれど、そうなったのは、ただ震災や原発の問題があったからではなく、そうした不確定要因・要素に対して、オレたちの国や地域がほとほと弱かった…ということなのだ。

それを前のような生活、いままであったような制度やシステムに戻したところで、根底にあった弱さは結局、克服できたことにはならない。前と同じ、いままでのように…ではなく、これまで先送りしてきたこと、システムが劣化していることになんとなく気づきながら、それ以外のシステムを模索しなかったところを見直すときなのだ。

単なるボランティア活動では、それを変えることはできない。だから、オレは震災後すぐから、制度やしくみを変えていける運動を目指さなくてはいけないと考えてきた。

震災と原発事故は多くの犠牲を生んでいる。おそらく、これからも生み続けるだろう。
 
だからこそ、そこにある教訓を明日に生かす努力と工夫、さらには知恵。そして、果敢に取り組む勇気がいる。何度かいっているが、いま、被災地や被災地に関わり合う人たちだけでなく、オレを含め、日本人一人一人が、いままでのあり方を見直すときにきているのだと思う。
 
人にそれを語る以上、自らが自問し、自分の中にあるそうした弱さを克服する協働を目指さなくてはいけない…と思う。