秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

感慨ひとしおの夜

22年前、独立して事務所を開いた広尾一丁目。
 
明治通り沿いではあるものの、恵比寿駅からも広尾駅からも中間地点にあり、決して交通の便がいい場所ではなかった。
 
大学で同窓のコピーライターをやっている友人が使っていたワンルームマンション。奴が離婚して生活空間のある場所へ引っ越すというので、そのまま大家さんに紹介してもらい入った場所。奴のオフィスによく訪ねていたので、土地勘があったことと広尾商店街が近場にあり、ちょっといい飲食店があったこと…が決め手だった。
 
家庭用のファックス電話だけで、コピー機もない状態で始めて6年。社員が入り、法人化したのを契機に、乃木坂のオフィスに移転した。そして、乃木坂の500m圏内で2度の移転(笑)。いまは、外苑通りに面したオフィスマンションを根城にしている。

広尾にいた頃から、西麻布界隈は近距離ということもあって、よく出没していたが、乃木坂へ越してからは、広尾にいくことはあっても、かつて事務所のあった恵比寿駅東口につながる馴染みの飲食店には次第に足が遠のいていた。
 
それが、ちょっとした偶然も重なって、昨夜も含め、この2週間に2度も、かつて通っていたタイ料理の店やお好み焼き屋にいった。周辺はずいぶん変わってきたが、馴染みの店は相変わらずやっている。
 
乃木坂に来てから足かけ16年。地元に知り合いも増えたし、馴染みの店も増えたが、たまに恵比寿、広尾界隈も悪くはない…などと、いままで感じなかった思いにひたる。
 
表参道、西麻布、広尾、恵比寿そして、乃木坂…。名前だけ聞くときどった店なのだろうと思う人が多いだろうが、オレの通う店は、いわゆるこじゃれた店ではない。なんとなくそこに佇んでいる…というような店ばかりだ。
 
オレの会社も超低空飛行ながら、なんとなく佇んで22年。光陰矢のごとし。それほどの時間が経っているとも思えないし、人の人生は短い間にいろいろなことが起きるものだ…いや、人とは短い人生の中でいろいろなことを起こすものだと…あらためて、感慨ひとしおの夜。