秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

協働意志

大いわき祭の延期…それに驚いた人もいるし、驚くだけでなく不満を抱いた人、大丈夫なのかと不安を抱いた人…あるいは、オレのやり方でいいのかと疑念を持った人…

そして、何よりも、いろいろと心をめぐらし、その祭典にどうかかわろうかと意欲にあふれていた人の中には、強い失望と落胆を感じた人もいるだろう。
 
人というのは、照準や目標を一点に合わせていると、その的がずれたとき、強い虚しさや失意に襲われる。人にはそれぞれ役割があるから、長い間、緻密にかかわりあってきた人間とそうではなく、その一点に照準を合わせていた人間とでは、その落差も大きい…
 
ということへの配慮がなかったな…と今朝反省した。いわきとの折衝や今後の立て直しのこと、実施に伴う段取りや資金をどうするのかということばかりに頭が占領され、関わり合ってくれている仲間たちへの配慮が欠けていた…と思う。

いまオレがやろうとしていることには、難しくいえば、「協働意志」というものがいる…と思っている。別段、特別なことではないが、MOVEが最終的に目指す方向や願い…それに対する理解と現実の取り組みとのつながりを最低限共有することだ。
 
市民グループでやる活動だから、専従者がいるわけではない。また、被災地支援の活動だから参加しようと考えた人間もいれば、被災地支援にかかわることで、互いがWIN&WINの関係になれればと考えている人間もいるだろう。つまり、MOVEとしてオレが提案していることの最終到着目標は共有されていない。
 
オレは基本、関わり合う人それぞれの思いを否定しない。どのような意志であれ、力が集まることが大事だと割り切りができている。でなくては、すぐには何の徳にもならい、徳にならないどころか、自腹を切って取り組まなくてはいけないことに関わり合うことなど容易ではないと思っているからだ。
 
まして、このグループには資金がまったくない。スポンサーや協賛団体がついてくるようにするためには、実績を上げていくしか道はない。オレの知る、もう長くNPOの活動をやって軌道に乗せている連中もそうだったし、市民を軸に運動を展開しようというMOVEには、なおその道しかない。
 
いろいろな意志を結集して、運動をすすめながら、意志の統一をはかっていく団体なのだろうと考えているのだ。その間の行き違いや作業の不手際、失敗は、あるものと計算に入れるしかない。でなければ、関わり合って人それぞれが、それを乗り越えて、協働意志へたどりつく道はないと思っている。

それどころか、よくある市民団体のように、内部的な対立や諍いが生まれ、目指すべき活動の理想や気高さが奪われる…と考えている。自分たちのための活動ではないからだ。あくまで、そこで目指すべきは利他。利他の取り組みは、自分にいろいろな難題をぶつけてくるものだと…相場は決まっている。
 
人の気持ちはそう簡単に、こちらの気持ちを心底理解してはくれない。
 
が、しかし。熱意を持って取り組もうとしている仲間ひとりひとりの思いを斟酌することができなくては、理想がいくら気高くとも、結局は、違いを埋めることもできないのだ…
 
協働意志…。共につくりあげる意志。それが今回のことで、オレにも、仲間たちにも問われているのかもしれない。