秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

デザイナーHさんのこと

MOVEのロゴ入りTシャツが届く。
 
もう20年以上の付き合いになる、デザイナーのHさんが、MOVEの活動のことを伝えると、被災地への支援物資になっていたTシャツであまったものをかき集めてくれた。
 
プレミアグッズも手掛けているので、ロゴのデザインと貼り付けはHさんの会社で。本来なら、20万円弱はする作業を無償でやってくれたのだ。
 
Tさんもオレのまわりにいる仕事関係者の中で、欲のない人。8年ほど前、著名ホテルのブライダルフェアを一緒にやったときも、クライアントとデザインの案件でもめて、オレに仕事をゆずって、降りてしまった。対立しての幕引きではない。あまりにコンセプトのとらえ方が違うので、降りましょうと自分からいい出したのだ。
 
それでいて、うらみがましいことや文句をいうことはない。それどころか、そのあとのオレの仕事のために代理店にもつないでくれた。そして、それも仕方がないと、別の仕事を探し、挑戦する。
 
今回の「大いわき祭」。チームTシャツだけでなく、宣伝用のチラシも制作中だが、相談すると印刷は紙代だけの2万、3万でいいと業者にかけあってくれた。一万部表4Cで裏1C。普通なら10万程度は請求される仕事だ。
 
Hさん、ちょっと変わっていて、本来は絵画作家を目指していた。若い頃に書いたというデッサンがいまでもオフィスに飾ってあるが、実に見事。でいながら、社会人バレーボールチームのレギュラーでもあった。
 
ヘルニアになっていなかったら、全日本入りも夢ではなかったらしい。バレーと絵描き…。すぐにつながらない(笑)。しかし、そうしたことがこの人の魅力なのだろう。
 
2年ほど前から中国語を勉強し、昨年から上海にカレーうどんの店を出した。商売の幅を広げなくては、グラフィックデザインでは限界がある。それに、上海に足掛かりをつくることで、デザイン制作の拠点を中国に移すつもりらしい。
 
うまくいっているわけではなく、苦労の方が多いようだが、それでも極端にへこんだり、いじけたりする様子はない。
 
下町、深川、人形町に仕事場を置くHさん。ここの水が合っているといつもいう。確かに。助け合うといことの大切さを知っている人だと思う。