秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

強い奴は限界も無力さも知っている

いわき市から連絡が入り、当初予定通り、今月13日・14日に詰めの打ち合わせでいわき行きが決定。
 
まだ、裏工作の必要な部分も残ってはいるが、とりあえず、当初予定していた内容にほぼ近い形でイベントが実現へ向けて大きく動き出す。
 
折しも、いわきジャーナルのAちゃんが、いわき市の合同慰霊祭が今月9日の昼間にあることを教えてくれた。前回参加したのは、いわき市内でも被害のひどかった薄磯、豊間の地区の合同慰霊祭。今回はいわき市を挙げての慰霊祭になる。
 
予定していなかったが、これも参加しておくべき…。たまっている編集作業の進捗次第だが、なんとかしたいと思う。
 
そんなことに、ひとり気をもんでいるときに、午前中、民主党松本龍復興担当大臣の辞任のニュースが飛び込んできた。いろいろ意見はあるだろうが、あの失言はどうしようもない。政局の問題ばかりでなく、あの発言を通していたら、東北の被災地の復興も形ばかりで終わっただろうと思う。
 
上に立つ人間が、だれにでもわかる姿で、心血を注ぎ、熱意と情熱と誠意を示さなければ、いくら予算や人的資源に恵まれていても、プロジェクトは進むものではなし、骨太の姿になれるものではないと思う。
 
答えは簡単。人がついてこないからだ。
 
まして、内閣の中だけ、担当省庁の中だけで復興事業は進められるものではない。県、市町村が現場で、そのビジョンとイメージを形にするために思いを同じくして困難に立ち向かわなくてはいけない。
 
そのトップへの信頼が築けなくては、復興計画も棚に描いた餅でしかなくなる。つまりは、ハートが入らず、現実に落ちないということだ。そんな防災担当をやっているから、実際、復興の歩みは驚くほど遅い。
 
辞任会見でドラゴンチームはすばらしいと連呼していたが、すばらしいチームならば、上に立つリーダーに苦言を呈する奴がいてもおかしくないはず。それができていないということは、結局、上の顔色を窺って、松本龍のように強圧的な指示の出し方しかできない人間に、反省の機会も与えなかったということだ。
 
それはすばらしいチームとはいわない。

いつもいうが、とにかく復興予算を通して、その金を自治体に早やく回すことだ。ああしろ、ここしろ、こうでなくては金は渡さないなどと、アホな権益を主張している場合でない。金の使い方も責任も、被災した県、市町村にゆだねれればいい。そこで多少の齟齬や違いがあっても、それは復興が形になり、次の街づくりができるゆとりができてから調整をやればいいことなのだ。
 
アホな優等生たちが、机上で作戦図面と首っ引きになって、できないくせに、10年後の青写真までつくろうとするから、こんなことばかりが続いている。
 
使命感は大事だが、現実や人を知らない使命感は、うざくて、面倒なだけ。足をひっぱることはあっても、物事を前に進める力にはならない。
 
本当に強い奴は、自分の限界も、無力さも知っている。だから、人を使えるのだ。