秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

切実な課題

市井の名もなき人、この世の不条理に振り回される人、理不尽な処遇や待遇…力や権威、威圧によって虐げられる人…というのがこの世には存在する。
 
それに向き合い、奉仕や献身に身を挺する人もあれば、それは自分とは関係のないことと素通りする人もいる。
 
あるいは、気の毒に、かわいそうにと、同情をよせて、自分は安全で、傷つかない場所にいることに気づけない…という人もいる。
 
また、ある人は自分の方が重い十字架を背負っていると、人の弱さを甘えだと非難する人もいるだろう。
 
そうした中のわずかな人間だけが、ならば、世を糺そう、世を変えようと行動する。
 
変えるための知恵をめぐらし、必要とあれば、いろいろな手練手管、手段をつかい、人を集合し、意志と願いを伝え、道を拓こうとする。

いままでと同じでは果たせないことが多いことをそうした人たちは知っている。だから、いままでとは違う方法で、常識や決まりやこれまでの経験といったことを越えようとする。
 
しかしながら、すべからくこの世は、常識や決まりや決め事が好きだ。いままでの枠組みしか信じない。
 
いまこの国には、自分というものの基準がない。本来あった、いろいろな基準を次々に反故にし、日本的なるものや日本的精神といったものを捨ててきた結果、自分というものを無くしてしまった。
 
貧しさや不都合な現実、不利不足の中で生き抜き知恵を失った。そこに、経済的な危機も、自然の災害もありながら、まだ、本気で危機感も危機意識も抱いていない…というのがこの国のいまだ。
 
「死んでいった者らに報いる方法は一つしかないち。 もっぺん生まれてきたい、そう思える国にすることじゃき…」。それを切実な一人の人間の課題にしている人は、この国に何人いるのだろう…