秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

こんなことってあるんだな…

数日前、FB仲間のKさんと二人で初オフ会。同じくTさんも参加予定だったのだが、突然の仕事で無念の欠席となった。名付けて、ウルトラ防衛隊秘密会議(笑)。
 
Kさんのオフィスのある地元神田で、Kさんおすすめの店へ。ここでこれが食えるのか…という見事な刺身やベーコンの厚切りをくらい、ほろ酔いと睡魔に襲われているKさんを強引にオレの地元、乃木坂コレドへ(笑)。
 
「こんなことがあるんだなぁ…」。互いにその言葉が口をつく。
 
それはKさん、Tさん、オレの3人のいつわざらる思い。同時に、オレたちのコメントややり取りを見ている、FB仲間たちにも共通した感覚だろうと思う。
 
Facebookというツールが登場し、インターネットのバーチャルな世界は明らかに変わった。これまで、インターネットによって、人と人が深くかかわり、結びつく…ということは、期待されながら、どこかで多くの人がそれを信じてはいなかったし、信じようともしていなかったと思う。
 
バーチャルなコミュニケーションで人が結びつけるわけはない。リアルコミュニケーションで人と信頼関係が築けない人間が、ネットの世界でそれを実践できるわけはないし、そんなコミュニケーション能力の高い奴がネットにいるわけがない…
 
オレ自身、そんな思いを抱いていた。インターネットの出会いは余興程度のものでしかない…そう思っていたのだ。FBと出会うまでは…。
 
とりわけ、匿名性が好きなアジア圏、日本においては、実名と実メール、それに顔写真などのアイコン掲載を義務づけているFBには、抵抗がある。未知の他者と生活を共有することに日本人は本来、慣れていない。だから、アフリカの革命がFBをツールとして起きるまで、また、震災時にFBがストレスなく通じたという事実に直面するまで、この国のFBの普及率は世界でも立ち遅れていた。

しかし、今年1月後半、「ソーシャルネットワーク」の予告編を見たオレは、直感した。これは、これまでのインターネットツールとは違う…。そして、その夜すぐに登録した。そして、登録したその瞬間から、まさにこれこそ、人と人がリアル結びつく可能性を持ったツールだと実感した。また、同時に、市民が中心になって、社会を変えていくツールになるとも。
 
その後のアフリカ、中東での市民革命と震災は、オレの予想を的中させたのだ。その間、オレはいままで出会うことない人、出会ったとしても、ここまで深く会話することができただろうかと思える人々と出会い、語り合った。
 
もちろん、ビジネスツールとしてしか考えていない狭隘な奴もいる。身勝手な正義の旗を振って、自己満足な集団を形成しているような輩もいる。ときには、対立する議論の中で、傷つきFBを離れていく人もいる…
 
だが、こちらがきちんとしたメッセージを流せば、それに応えてくる連中もいる。かといって、大仰にもならず、会話を楽しむということを知っていて、エスプリと知性にあふれたジョークをやりとりできる人がいる…。
 
その中でも、いまの社会の問題点への認識の仕方、それをどう越えていくかの知恵と生活の中でそれに取り組もうとしう姿勢…それが、ここまで符号するかという二人と出会った。それでいて、それぞれが独自の個性を持っている。
 
顔も合わせていなかっただれかを、親友と言える、思える男たちと出会えた…それが、「こんなことってあるんだなぁ…」という言葉になったのだ。
 
人は会社の中、家庭の中、生活する場の中で、出会う人の数は知れている。そこに直接の利害が先にあれば、深く関わることができるようでなかなかできない。
 
利害よりも人の思いや理論、願いや実践で結びつく…その方が後々利害関係が生まれてもいろいろな壁を乗り越えていける。基本に人と人の信頼が先にあるからだ。
 
自分の思いや考え方に、違う立場、違う世界の人間が共感してくれる。思いを共有してくれることほど、幸せなことはない…とオレは思う。限られた世界、いろいろな前提を共有した中で生まれる発見や出会いは、実は狭い世界でしかないからだ。
 
前夜、一緒できなかったTさんは、翌朝携帯に電話をくれた。前日会話ができなかったことを埋めるように、30分近く互いに会話がとまらない。話したいことが山ほどある。そんな男たちと、この年齢で出会い、これからの親交に新しい世界が見える…。
 
オレのFB仲間うちでも、リアル仲間うちでも、すでにKさんもTさんも有名。その輪が大きく飛躍するときが、きっともうすぐくる。オレは確信を持って、そう予感している。そして、その予感を後押しされている。
 
物事が、世界が変わるとき、ふっとしたきっかけや人々の力のなにげない結集がそれを起こす…とオレは思っている。これから先、オレ、そしてオレたちにかかわる仲間も、だから、きっというだろう。
 
「こんなことってあるんだなぁ…」。
 
そんなふうに変わる世界ほど、確かな世界はない。