秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

雪のバレンタインデー

昨夜は久しぶりの大雪…。しかも、バレンタインディ。
 
チョコを異性に贈るという習慣は、森永製菓が始めたもので、チョコと聖バレンタインとは直接に関係はない。本来は、異性に限らず、身近にいる互いが、日頃表せない、他者への感謝と思いやりを示そうというもの。
 
貧しき人、病める人、困難にある人への奉仕というキリスト教の宗教精神がその基本にある。
 
その夜に深々と綿雪が降る。ブッダ上映会に流すショートムービーの原稿の手が窓の外に降り注ぐ雪の景色に、つい中断してしまう。そして、ふと、1年前の今日のことを思い出した。途轍もなく、遠い昔に感じている1年前…。
 
1年前の今日、コレドの開店記念パーティがあった。最初にやった記念パーティと違い、2回目は予約制で多くの人に声をかけなかったこともあり、こじんまりとしてた集りだった。
 
その頃、オレが提案していた社会評論の出版企画があり、酒豪編集者Rとその打ち合わせもかねて、顔を出した。そこで、同じくカップルで参加していた男性のKさんから、「一緒に飲みませんか?」と声をかけられた。初めて見る顔だった。
 
同伴の女性は、聞くと、肉は鶏肉以外まったくダメ。生牡蠣も得意ではないという。パーティはすき焼きと牡蠣がメインだから、「意味ねぇじゃん」みたいな例のぶっちゃけで会話を始めた。巻き物のすしを食っているが、巻いてある壺漬けされた人参を避けている。それが、久しく登場してなかった村娘Rとの出会いだった(笑)。
 
なぜか気が合い、気兼ねもなく、しばらくよく遊んだ。当時ブログにも頻繁に登場していて、記憶にある人もいるだろう。が、その大半は、オレの奴への説教とかで、ほとんどオレが持論をまくし立てていただけのような気がする。喧嘩もした。
 
半年ほどで会わなくなったが、説教しながら、奴の突っ込みによく笑わされた。
 
もうすごく遠い昔の記憶になってしまっていたのだが、Facebookで、昨日紹介したロシアと日本のハーフのKさんがプロフィール写真を新しくされているのを見て、びっくりした。Rとそっくりの顔立ちだったからだ。確かに、ロシアと日本のクォーターだから似ている点があって当然。
 
Kさんはバリバリのキャリアという様相がbookの内容から読める。それでいて、他者への思いやりとやさしさに溢れている。同時に、男前(笑)。曲がったことは嫌いな人と読んだ。家庭でもいい夫、お子さんに恵まれている様子が伝わってくる。雪で難儀しながら、bookに登録している友だち、仲間のことを心配されている。
 
そして、知り合ってまもないオレにまで、バレンタインだからと「Thank You Heart」を贈ってくださった。彼女の書き込みに多数の男性が反応するのがわかる。美しいからというのもあるだろうが、彼女のやさしさにふれたいからだろう。
 
Rと会うことはもうないが、折々に自分をみつめ直し、成長し、きっとこのKさんのように、バレンタインスピリッツで美しく生きていくに違いない。
 
小野リサの名盤で、I wish you loveというジャズの名曲のカバーがある。他者を思う気持ちは、異性に限らず、この世にあるすべての人への愛へつながっている。
 
大切なのは、ときに厳しさはあっても、その人がどういう広い愛を紡いでいけるかなのだ。