秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

あなどってはならない

午前中、国連NGOのWCRP(世界宗教者平和会議)のHさんの部署に年末のあいさつ。Hさん、結婚してYさんと姓が変わった。
 
なんでも11月末に地元広島で身内、親族だけの結婚式を終えたとのこと。ご主人は高校時代の同級生という。たまに、一緒に飲む、日経ウーマン大賞受賞者で、NPO代表のKさんが聞いたら、さぞかしうらやむことだろうなどと思う。
 
二人とも外見からはそう見えないが、バリバリのキャリアで世界中を平和活動のために飛び回っている。その企画力、官僚能力は抜群だし、行動力は男性の比ではない。きちっとした意見もあり、議論になると手厳しいところもあるが、女性らしい物腰を忘れない二人だ。
 
その足で、東京家庭教育研究所のM所長さんにあいさつ。来年へ向けた新しい取り組みなどのお話を伺う。監修協力していただいた本を読まれた読者のひとりが、ご自身の子育て体験をHPにされて、多くの方に声をかえていらっしゃることを紹介するととても喜ばれていた。
 
M所長さんですら、もう39歳になる息子さんが仕事の悩みを抱えるいまになっても、自分のかつての子育てに問題があったからだと、お詫びをされ、乗り越えられない苦難はないからと励まされている。
 
社会貢献事業に携わっている身近な女性たちの姿を見ていると、本当に頭が下がるし、謙虚に自己をみつめる深さや苦労があっても他者のためにと努力されている姿に教えられる。
 
本当に女性はたくましいし、元気だ。いつものことながら、Hさん改めYさんやM所長さんたちに元気をもらう。
 
オレの仕事の中で作品にする世界、つまり、現実社会では、こうした元気な女性ばかりではないのはわかっている。自分の主張も十分に語れず、異性に刷り込まれた支配と隷従の関係の中で、ひとり苦しんでいる女性もいる。
 
子育ての悩みはもちろんだが、自己実現のために社会へ復帰しようとしても思うにならない壁もある。
 
いまこの国は、健常者や生活の安定している人々にはやさしいが、そうではない人には制度においても、意識においても、決してやさしい社会ではない。一度、枠組みから落ちるとそこから回復するのは容易ではない。
 
そんな社会の愚かさや過ちの中で、それを大きく変える力は、だが、やはり、そういう立場にいる人なのだ。つい、この間まで女性の参政権さえなかったこの国を変えたのは、やはり女性だ。
 
生活の中でできることから実現する。その力が女性にあるのは、女性が生活の視点から世界を見ようとする生まれながらの力があるから。
 
ゆめゆめ、それをあなどってはならない。