秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

エヴァやガンダムのように

土曜日の夜、編集スタジオで作業の後、事務所にもどる。マンションの下を走る外苑通りが渋滞している。ミッドタウンへ向かう方向だけだ。
 
クリスマス前の週末で、デートや家族で買い物をしたついでに、ミッドタウンのクリスマスイルミネーションを見にやてきた人たちなのだろう。
 
それにしても、ものすごい渋滞。車では渋滞するとわかっているのだろうが、遠方からくる人もいるだろうし、買い物をかかえては移動が大変だからと車やタクシーで、人が集まってしまう。
 
すぐ近くにいながら、オレはこの時期、イルミネーションを見たのは、数年前、上海の別れたかみさんが、遊びに来たときの一度くらいしかない。
 
宇宙にうかぶ、エヴァガンダムの閉ざされたカプセルの中で、遠く地上を行く人々をどこか覚めたまなざしで、みつめている…。そんな一節が書きかけの小説の中にあったなと、ふと思う。
 
昨日は、久々のオフ。午後、コレドのMさんから前々から相談を受けていた案件で打ち合わせ。夜でもなく、客とオーナーという立場でもなく、表現者・企画者同士として、しらふで顔を合わせると微妙に照れくさいものだ。
 
とはいえ、Mさんが年末から来年に取り組もうとしている企画、新しい。形になっていけば、コレドという店が新たな情報発信基地となり、劇場、多目的スペースの利用用途も広がるに違いない。Mさん、オーナーとして、ちゃんと計算もある。
 
Mさんから提案を受けた話、実は、以前、いくつかの店で提案し、提案されたこともある。しかし、結局、実現にはいたらなかった。そこにはいくつか理由があるが、基本は、オーナーの問題だったと思う。
 
だが、さすがわMさん。ほかとは違っている。取り組もうとする情報選別、鑑識眼、着眼点、そして、それを自らおもしろいと思える熱意がある。
 
本来、脚本家であり、演出もやる人だからということもあるが、やはり、思春期、青年期に、社会に目を向けざる得ない時代を生き、かつ、そこで自分なりにできる行動を起こした人間だからだと思う。
 
物のとらえかたは、目に現れた情報の渦中にあっては、その全体像をつかむことは実は難しい。
 
目に現れた情報の点を線につなぎ、そこから社会や世界を覆う面の姿をとらえる俯瞰の視点も必要なのだ。
 
目先の課題をきちんとこなすという地道な視線と同時に、それが閉塞しないように、自らを開き、遠く離れた視線でみつめると、また、異なる姿が見えてくるということがある。
 
つまり、エヴァガンダムのように、宇宙に浮かんだ閉ざされたカプセルの孤独の中で、遠く人の姿をみつめる視点も必要だということだ。
 
たいぶ前、イワとベティたち数人と飲んだとき、池上彰の社会解説と飲みの席でよくオレが語る社会解説をイワが比較していったことがある。
 
池上彰は大衆向けで無難な線、カントクはマニアック向けで危険な線。だが、両方ともおもしろい。両方聞いていると、よりよくわかる…。
 
確かに。素朴な素直な疑問と質問をするMさんのストレートさとオレのマニアックな解答は、その構図になるかもしれない。
 
こうした機会をくれ、声をかけてくれたMさんに感謝。詳細は後日。