秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

鈍感男の気づき

幼い頃から、女の子の気持ちには、鈍感な男だった。
 
男女の思惑や発言に、そう差があるものでなく、男女差や違いをいったり、それを考慮に入れるのは、女子に対して失礼であり、相手の人格を尊重するがゆえに、男子である自分との相違点を探すべきではないとも思っていた。
 
芝居の中で、言葉に出せない女性心理を描くこともあるし、商業演劇の世界では、主役は女性だから、東宝帝劇にいるときは、運命にもてあそばれながら、人に語れぬ恋心を貫く、女性心理も描いていた。
 
女性の恋愛相談にものれば、女性と付き合っているときの男性心理を解説することもある。
 
が、しかし。こと、自分のこととなると、「あなたって、超鈍感!」といわれる失敗ばかり。
 
恋もしてきたし、たぶん付き合ってきた女性の数は少なくない。だが、この鈍感さ、なかなか治らない。なおらないのは、これまで付き合ってきた女性が、きっとやさしくて、あえて、オレの鈍感さを指摘しなかったからなのだろう。
 
とりわけ、相手が自分に好意をもってくれていることに気づくのが遅い。気づいていたとしても、その深さに気づけない。また、相手がその気持ちをどう受け止めて欲しいと思っているかに気づけない。
 
気づけないことだらけ。「あなたは、人の気持ちのわからない人よ!!」と、超怒られたこともある。
 
なんか、おもしろい話できてよかったじゃん! なんて、その場の会話を楽しんでいるうちに、じつは相手の女性がしたかった、恋について、愛についての話のきっかけをスルーしている。
 
それを改めて指導、説諭してくれたのは、コレドのMさんの奥さん、Mちゃん。今日、24歳という誕生日を迎える、若い人に道を説かれる。いちいち、なるほどね…。と、うなづくことばかり。最後には、オレのあまりの鈍感さに、あきれかえっていたけれど。
 
さすが、40歳も歳の離れたMさんと結婚をやってのけるだけの女性のことはある。改めて脱帽。鈍感の意味がやっとわかり、謎がとけた。ま、しかし、これはきっと治らないだろうけど。
 
昨夜は、コレドで、マエストロのOさん、劇団MのKさんたちとばったり遭遇。何かの集まり風だったので、カウンターに座ると夕刊FのUちゃんがいる。しばし雑談していると、身だしなみのきちんとした隣のサラリーマンさんとMさんが、しきりに映画談義をしている。
 
そのうち店がこんで、Mさんが仕事に戻ると、T電力につとめる、そのNさんと語る。
 
この人が、堅気のサラリーマンとは思えない博識で、社会の裏側を含め、よくわっている。国際情勢、政治への目のつけどころも的確。T電力、おそるべし。こうした人材をかかえることができるのは、やはり、大手の強味。
 
そうしたことには、すぐにアンテナが反応するオレ。
 
最後の客になり、Mさん夫婦と、しばしたべりながら、自分のことはからっきしダメな己を知る。