秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

人生のプラスとマイナス

秋波というには、まだ、そよぐ風のここちよさの方がまさってる。
 
こういう時期は、着るものに工夫がいる。歩いていると微妙に汗ばんだりするし、地下鉄などでは、蒸し暑さが残っていることがある。
 
季節の端境期(はざかいき)が短くなった。だが、季節に夏でもない、冬でもない、変わり目があるように、人の人生にも、社会や国の姿にも、変わり目というのがある。端境期というのは、とても大切な時期だ。
 
自然の大法則の前では、芥子粒のような存在でしかない自分は、どうあがき、もがいたところで、その法則から自由であることはできない。自然の摂理や大法則に身をゆだねられる素直さ、実直さがあって、人は、心を自由に解放し、自然とひとつになった自在な存在になれる。
 
宇宙すべてが、消滅、誕生、再生を繰り返し、調和を生んでそこにあるように、あらゆる万物が自由自在であることは、最後に調和を生きられるか否かにかかっているのだ。
 
そして、その調和を生きるために、夏でもない、冬でもない、どちらともいえない、あいまいさに満ちた変わり目というものが存在する。
 
変わり目とは、すべての調和を目指す自在であるべき時期なのに、だが、人は、ひとつの考えに固執したり、他者を決めつけたり、心の奥の声に耳をふさいだり…。
 
人は、大方、変わり目が示して教えてくている、マイナスの信号を受け入れようとしない。だれもが、気持ちいいプラス思考でいきたい。次にくる夏は、こうあってほしい、冬は、かくあれるべきと、手前勝手なイメージをつくり、それを実現するには、自然との調和ではなく、自分の思い込みという我だけを押し通そうとする。
 
次の夏は暑くなるよ、次の冬は暖冬だよ。その声に耳をかさず、自分はおしゃれをしたいから、どうしても厳冬になってくれなくてはこまる。と人は、思いと違う情報をマイナスにしてしまう。
 
人生のプラス、マイナスは、実は、自分の身勝手な心が決めているだけ。自然は、ただ、人生の真理と実相を淡々と示してくれているにすぎないのだ。