秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

おてんとう様がみよんしゃぁけんね!

正義という言葉がもてはやされ、軽薄さあふれる心情にもとづいた、半径3メートルの正義を主張することの危うさを、つい数日前のブログで書いてばかり。
 
正義に名を借りた、無自覚で、悪辣な意志は、その無自覚さと悪辣さゆえに、必ず白日にさらされ、糾弾されるときがくる。
 
愚かに正義をもてあそぶと、いつか正義の女神の鉄槌が振り下ろされることになる。アフガン、イラクに、正義を唱え、侵攻したブッシュによって、泥沼化してしまい、アメリカの、いや世界の御荷物となってしまった、中東情勢のように。
 
それを象徴するように、昨日、いつか起きるだろうと予測していた事件が起きた。
 
大阪地検特捜部の主任検事が逮捕されるという前代未聞の事件。最高検は、異例ともいえるスピード逮捕。前田主任検事は改ざんは認めたものの、証拠の隠ぺい操作ではないと、自白していないにもかからずだ。逮捕が異常に早すぎる。
 
今朝の報道で、その理由がわかった。
 
実は大阪地検特捜部の上層部も認識していて、特捜部部内から上司に報告があったことがわかったのだ。つまりは、厚生労働省村木厚子元局長の弁護士がフロッピーの改ざんをマスコミに公開して、すわ鎌倉で、放置しておいた処分にあわてて出たというのが実際のところ。
 
厚生労働省村木厚子元局長の大阪地検特捜部の捜査手法が問題になっているが、この前田検事、鬼の東京地検特捜部時代、小室哲哉の詐欺事件、小沢一郎資金管理団体西松建設からの政治献金問題で起訴された元秘書の捜査も担当している。
 
村木元局長が指摘していたように、これは前田検事個人の資質の問題ではない。個人の資質が発揮され、その強引な手法を許す空気と体質が、いまの検察にあるということが問題なのだ。それがなければ、いかにエースと将来有望視されていたにせよ、前田検事ひとりの独断で検察を揺るがすような問題が起きるわけはない。
 
もし、あえて前田検事個人の資質が起こした問題とするなら、それを許した上層部、地検特捜部の体質こそ問題にすべきで、組織的な検証がなければ、検察の威信は地に落ちる。
 
この数年の検察、および地検特捜部の捜査と起訴は、あまりに強引という印象がある。政治的、意図的に背後に何かの力が働いているとしか思えない事案が立て続けに起きている。
 
鳩山、小沢の問題しかり。当初は保護責任遺棄、致死の立件を投げ出していた押尾の事件もしかり。SMAPの剛の異例ともいえる逮捕、検察送致の問題もある。
 
小沢一郎が検察で不起訴となりながら、検察審査会によってあえて起訴相当へ持ち込もうとしているのも、実は、おかしな話なのだ。
 
小室哲哉のような気の弱い、社会生活をほとんど知らない人間なら、昔の憲兵隊のような威圧にあふれた尋問をされたら、だれかにハメられたという主張はすぐにひっけこめ、自白すれば楽になるぞといわれれば、簡単に自白してしまう。
 
村木厚子元局長や小沢一郎は、気骨もあり、権力に動じない教育を受け、法律への知識もあるがゆえに、からくもこれに立ち向かえているだけの話。
 
司直とそれを影で操作している輩に教えたい、オレのおふくろの言葉がある。
 
「そげなことばしよったら、おてんとう様がみよんしゃぁけんね! あとで、ひどか目に遭うとばい!」