帰りましたぞと、そこにばばあが
この時期の佐賀の気候風土のせいかなのかと思っていたら、福岡も、帰ってきた東京も蒸し暑い! 地下鉄の大門駅は、浴衣の兄ちゃん、おねぇちゃん、家族連れで混んでいる。東京湾花火大会だった。
人ごみに背を向けて、とっとと乃木坂に戻り、熱を孕んだ部屋に風をいれ、エアコンをガンガンかけ、風呂に入り、からからの喉を潤そうと近くのスーパーに歩いていると、そこにハンナのばばあが!
ふらふらとオレの前を少女のように歩いてやがる。こいつは、本当にあの世にいっても、ふらふらとオレの前を歩いているような気がする。どうして、こうも偶然に、しかも、互いに遠隔地から帰ってきたその日にばったり、乃木坂で会うのだ?
佐賀は暑かったと続けようと思ったのに! かみ合わない話のまま、なんとなく、わけもなく、二人でスーパーにいき、「じゃ、来週ね」と、かみ合わないまま別れる。どうして来週なんだ?
ということで、ばばあに話せなかった、ひなびた武雄温泉旅館のロビーと喫茶室にあったアンティークをいくつか紹介する。
これは、古伊万里の陶芸作家による「南蛮人形」。古九谷などでもそうだが、伊万里も古伊万里の方が深い味わいがある。とりわけ、古伊万里は彩色が艶やか。その艶やかさをうまくつかって、「南蛮」の世界をうまく描いている。
英国調のロビーの喫茶室。これは好みの人とそうではない人に分かれるだろう。