秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

タクシードライバー

いまは、なくなったが、福岡駅の裏手に福岡スポーツセンターがあった。
 
そこに旗興行の映画館があった。ロードショーから半年くらいで、半値以下で名作映画が上映されていた。
 
大学に進むと高田馬場早稲田松竹があり、ここも同じように半値以下で映画が観れた。ほかには、池袋の文芸座地下。飯田橋の佳作座。
 
高校時代、浪人時代、そして学生時代。そうした劇場で、オレはアメリカンニューシネマや名作映画のリバイバルを観た。ビデオやDVDなどない時代。
 
アメリカンニューシネマは、「若者たち」で、社会映画に目覚めていたオレには、衝撃の連続だった。「オレたちに明日はない」「イージーライダー」「真夜中のカーボーイ」など、あの頃の映画には、弱い者たちの目線から見た社会の現実が見事に描かれていた。
 
タクシードライバー」は、その作品もさることながら、テーマ曲にふるえるほど感動した。
 
しかし、そうした映画をオレはいつもひとりで見ていた。高校生のとき、同級生たちといった「いちご白書」以外、いつも映画はひとりで見ていた記憶しかない。
 
こんな映画につきあってくれる女の子がひとりもいない、まさに、ロバート・デニーロ演じる、タクシードライバーの心情だった…。