タクシードライバー
いまは、なくなったが、福岡駅の裏手に福岡スポーツセンターがあった。
そこに旗興行の映画館があった。ロードショーから半年くらいで、半値以下で名作映画が上映されていた。
アメリカンニューシネマは、「若者たち」で、社会映画に目覚めていたオレには、衝撃の連続だった。「オレたちに明日はない」「イージーライダー」「真夜中のカーボーイ」など、あの頃の映画には、弱い者たちの目線から見た社会の現実が見事に描かれていた。
「タクシードライバー」は、その作品もさることながら、テーマ曲にふるえるほど感動した。
しかし、そうした映画をオレはいつもひとりで見ていた。高校生のとき、同級生たちといった「いちご白書」以外、いつも映画はひとりで見ていた記憶しかない。